2017年2月6日月曜日

【読了】C.S..ルイス著〔土屋京子訳〕『ナルニア国物語② ライオンと魔女と衣装だんす』

北アイルランド生まれの小説家
クライブ・ステープルス・ルイス
(Clive Staples Lewis, 1898年11月29日生-1963年11月22日没)
の小説『ライオンと魔女と衣装だんす
    The Lion, the Witch and the Wardrobeを読みました。

全7巻からなる『ナルニア国物語』の1冊で、
著者51歳の時(1950年10月)に刊行されました

シリーズの最初に刊行された作品ですが、
物語の時系列に並べなおすと、2番目のお話になります。


土屋京子訳
『ナルニア国物語② ライオンと魔女と衣装だんす』
(光文社古典新訳文庫、2016年12月)

  ***

岩波少年文庫の瀬田訳と、
光文社古典新訳文庫の土屋訳との関係を、
はじめに整理しておきます。

◎瀬田貞二(せたていじ, 1916.4-1979.8)訳
ナルニア国ものがたり(瀬田訳)
 1『ライオンと魔女』
  (1950年10月英国、同年11月米国)⇒1966年5月刊行
 2『カスピアン王子のつのぶえ』
  (1951年10月英国、52年9月米国)⇒1966年7月刊行
 3『朝びらき丸 東の海へ』
  (1952年9月英国・米国)⇒1966年8月刊行
 4『銀のいす』
  (1953年9月英国、10月米国)⇒1966年10月刊行
 5『馬と少年』
  (1954年9月英国、10月米国)⇒1966年11月刊行
 6『魔術師のおい』
  (1955年5月英国、10月米国)⇒1966年9月刊行
 7『さいごの戦い』
  (1956年3月英国、9月米国)⇒1966年12月刊行

◎土屋京子(つちやきょうこ, 1956- )訳
ナルニア国物語(土屋訳)
 1『魔術師のおい』
  (1955年5月英国、10月米国)⇒2016年9月刊行
 2『ライオンと魔女と衣装だんす』
  (1950年10月英国、同年11月米国)⇒2016年12月刊行
 3『馬と少年』
  (1954年9月英国、10月米国)⇒2017年3月刊行予定。
 4『カスピアン王子』
  (1951年10月英国、52年9月米国)⇒※2017年6月刊行予定。
 5『ドーン・トレッダー号の航海』
  (1952年9月英国・米国)⇒※2017年9月刊行予定。
 6『銀の椅子』
  (1953年9月英国、10月米国)⇒※2017年12月刊行予定。
 7『最後の戦い』
  (1956年3月英国、9月米国)⇒※2018年3月刊行予定。


  ***

12月の刊行に合わせて購入しましたが、
仕事が忙しく、読む暇がありませんでした。

2月に入って、少し時間が出来たので、
空き時間を見つけて一週間ほどで読み終えました。

著者にとって
シリーズの一番初めに刊行された作品だからか、
手探りで書き進めている感じが伝わってきましたが、

それで魅力が減ったというよりは、
かえって新鮮な心持ちで全体を読み進めることができました。

子供向けの程々のファンタジー、
穏当な冒険小説として読むのなら、
十分成功していると感じました。

ただし、
大人向けの何か深いものを期待すると、

恋愛や結婚、
生死や暴力に関わる残酷な場面、
過度な貧困に苦労する場面など、
子供向けの小説としてふさわしくない要素は除いてあるので、
若干の物足りなさが残るかもしれません。

これまであまりファンタジーを読んで来なかった
40半ばの男性が読んでもそれなりに楽しめる内容でしたが、

やはり小中学生の時に出会えていたら、
いっそう楽しめただろうとは思いました。

そこまでのめり込んでいるわけではありませんが、
すんなり読み進められていることも確かなので、
間もなく刊行予定の3冊目『馬と少年』に期待したいです。

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