2017年7月10日月曜日

【160冊目】H.G.Wells, The Island of Doctor Moreau (PR Level 3)

やさしい英語の本、通算160冊目は、
ペンギン・リーダーズのレベル3(1200語レベルの)の24冊目として、

イギリスの作家
ハーバート・ジョージ・ウェルズ
(Herbert George Wells, 1866年9月-1946年8月)の
小説『モロー博士の島』を読みました。

ウェルズ29歳の時(1896年4月:英国、同年8月:米国)に刊行されたSF小説です。


H.G.Wells
The Island of Doctor Moreau

Retold by Fiona Beddall
〔Penguin Readers Level 3〕
This edition first published by Penguin Books Ltd 2007
13,226語

まったく知らなかった作品ですが、
ウェルズの名が気になって調べてみると、

『タイムマシン』や『透明人間』などのSF小説で知られる
H・G・ウェルズの代表作の一つであることを知り、
読んでみることにしました。

『タイムマシン』も『透明人間』も、
書名を知るのみで読んだことがなかったので、
今回が初ウェルズということになりました。


  ***

翻訳を調べてみると、
意外にたくさん出ていました。

 ※藤本直樹編「H・G・ウェルズSF作品邦訳書誌」(中村融訳『モロー博士の島』創元SF文庫、1996年9月所収)をもとに適宜修訂を加えた。一色訳と西原訳を今回付け加えてある。


木村信次(きむらしんじ)訳
『モロオ博士の島』
(アルス〔アルス・ポピュラアー・ライブラリー 第10〕1924年10月◇243頁)


土屋光司(つちやこうじ)訳
『モロー博士の島』
(三邦出版社、1941年7月◇247頁)


宇野利泰(うのとしやす)訳
「モロー博士の島」
『世界大ロマン全集 第7巻 透明人間』
(東京創元社〔世界大ロマン全集7〕1956年12月◇384頁)
 ※「透明人間」「タイムマシン」「モロー博士の島」の計3編を収録。

 ⇒『H・G・ウェルズ短篇集 第3 モロー博士の島』
  (早川書房〔ハヤカワSFシリーズ〕1962年6月◇219頁)に再録。
   ※「ダイヤモンドをつくる男」 「ダイナモの神」
    「盗まれた肉体」 「蜘蛛の谷」
    「妖精の国のスケルマーズデイル君」
    「モロー博士の島」 の計6編を収録。

 ⇒『H・G・ウェルズ傑作集1 モロー博士の島』
  (ハヤカワ文庫、1977年11月◇297頁)に再録。
   ※同上の6編を収録。


一色次郎(いっしきじろう)訳
西村保史郎(にしむらやすしろう)絵
『モロー博士の島』
(偕成社〔名作冒険全集19〕1958年1月◇206頁)


西原康(にしはらこう)訳
小野田俊(おのだとし)絵
「モロー博士の島」
『少年少女宇宙科学冒険全集11 タイム・マシン』
(岩崎書店、1961年月◇214頁)
 ※「タイム・マシン」「モロー博士の島」の計2編を収録。


能島武文(のじまたけふみ)訳
『モロー博士の島 ―他二篇』
(角川文庫、1967年8月◇302頁)
 ※「モロー博士の島」「妖星」「イーピヨルニスの島」の3編を収録。


橋本槙矩(はしもとまきのり)訳
『改造人間の島』
(旺文社〔旺文社文庫〕1977年8月◇193頁)
 ※「改造人間の島」 「魔法の園」 「王様になりそこねた男」
  「怪鳥エピオルニス」の計4編を収録。

 ⇒橋本槙矩・鈴木万里(すずきまり)訳
  『モロー博士の島 ―他九篇』(岩波文庫、1993年11月◇339頁)に再録。
   ※「エピオルニス島」 「蛾」 「紫色のキノコ」
    「パイクラフトの真実」「ブラウンローの新聞」
    「故エルヴィシャム氏の物語」 「マハラジャの財宝」
    「デイヴィドソンの不思議な目」 「アリの帝国」
    「モロー博士の島」の10編を収録。


中村融(なかむらとおる)訳
『モロー博士の島』
(東京創元社〔創元SF文庫〕1996年9月◇238頁)


雨沢泰(あめざわやすし)訳
『モロー博士の島』
(偕成社文庫、1996年8月◇287頁)


中村融訳と雨沢泰訳を手に入れました。

中村訳は大人向けの手堅い訳、
雨沢訳は小学校高学年くらいからでも大丈夫な、
読みやすさ重視の訳文でした。

とりあえず内容を知りたい場合は、
雨沢訳で十分だと思いますが、

じっくり味わいたい場合は、
中村訳のほうを好まれるかもしれません。


  ***

やさしい英語で読んでみて、
あまり好きな分野ではなかったのですが、

英文自体はわかりやすく
あらすじを追っていくことができ、
それなりに面白く、
最後まで読み終えることができました。

最新の科学をテーマにした作品は、
時代の推移とともに、かえって古臭さを感じやすくなるようで、
もっと他の作品も読んでみたいと思わせる深い魅力は残念ながら感じませんでした。

ただまだ1度読んだだけですので、
今後読み返すうちに、
大人の寓話としての価値を見出だせるかもしれません。

かの『フランケンシュタイン』と似た作品ともいえますが、
『フランケンシュタイン』ほど主人公の心の内面へ深く切り込んでいくことがないので、

その分読みやすい作品ではありました。
初ウェルズの感想はこんな感じです。


※第160冊目。総計1,512,173語。

2017年6月26日月曜日

【159冊目】Jane Austen, Sense and Sensibility (PR Level 3)

やさしい英語の本、通算159冊目は、
ペンギン・リーダーズのレベル3(1200語レベルの)の23冊目として、

イギリスの小説家
ジェイン・オースティン(Jane Austen, 1775年12月~1817年7月)の
小説『分別と多感 Sense and Sensibilityを読みました。

オースティン35歳の時(1811年1月)に刊行された長編小説で、
生涯に執筆された6作の長編小説のうち、
最初に刊行された作品です。


Jane Austen
Sense and Sensibility

Retold by Cherry Gilchrist
〔Penguin Readers Level 3〕
This adaptation first published by Penguin Books Ltd 1997
This edition published 2008
7,924語

オースティンは、

2011年12月に
マクミラン・リーダーズのレベル2で
『ノーサンガー・アビー Northanger Abbeyを、

2013年12月に
ペンギン・リーダーズのレベル2で
『説得 Persuasionを読んでいるので、

3年半ぶり3冊目ということになります。

オースティンの長編小説は6作だけなので、
これで半分は読み終わったことになります。

これまでの3作はどれも良い読後感なので、
少し時間を置いて残り3作にも挑戦しようと思っています。


  ***

翻訳は、
中野康司(なかのこうじ)氏のちくま文庫が、
こなれた訳文ですらすら読めるので手元に置いてありますが、

読み始める前に、
やさしい英語のほうを読み終わってしまったので、
しばらく積んでおくことになりそうです。


中野康司訳
『分別と多感』
(ちくま文庫、2007年2月)

翻訳はほかにも3点刊行されていますが、未見です。

工藤政司(くどうまさし)訳
『知性と感性』
(近代文芸社、2007年11月)

真野明裕(まのあきひろ)訳
『いつか晴れた日に ― 分別と多感』
(キネマ旬報社、1996年6月)

伊吹知勢(いぶきちせ)訳
『分別と多感(上・下)』
(新月社〔英米名著叢書〕1947年12月・48年2月)


  ***

本作は1995年に、
アン・リー(李安, 1954年10月- )監督のもと、
アメリカとイギリスの合作映画が製作され
原著と同じSense and Sensibilityの題で、
1995年12月に米国公開、96年2月に英国公開されました。

96年6月には『いつか晴れた日に』の邦題で、
日本公開されました。

私が20代半ばのころなので、
知っていても良さそうですが、
まったく知りませんでした。

調べてみると、
DVDでお安く手に入ることがわかったので、
購入して観てみました。


映画は何か語れるほど数を観ていませんが、

落ち着いた雰囲気の中に、
想いをひそませた正統派の恋愛映画で、

イギリスの田舎の美しい風景と、
物悲しい音楽も魅力的で、

とても感動しました。

こんなに素敵な作品だったのか、
と認識を新たにしました。

恋愛映画好きな方には、
オースティンを抜きにしても、
ふつうにお薦めできる映画でした。


  ***

やさしい英語は、
8,000語に満たない分量にまとめてあるので、
さすがに作品の深い魅力までは伝わらないように思いますが、

とくに苦労することなく、
最後まで読み進めることができました。

ざっとあらすじを知りたい場合には、
有効な1冊だと思います。


※第159冊目。総計1,498,947語。

2017年6月19日月曜日

【読了】C.S. ルイス著〔土屋京子訳〕『ナルニア国物語③ 馬と少年』(2017年3月刊行)

北アイルランド生まれの小説家
クライブ・ステープルス・ルイス
(Clive Staples Lewis, 1898年11月29日生-1963年11月22日没)
の小説『馬と少年 The Horse and His Boyを読みました。

全7巻からなる『ナルニア国物語』の1冊で、
著者55歳の時(1954年9月:英国、10月:米国)に刊行されました

シリーズの5番目に刊行された作品ですが、
物語の時系列では3番目のお話なので、
土屋訳では第3巻として刊行されています。


C.S. ルイス著
土屋京子訳
『ナルニア国物語③ 馬と少年』
(光文社古典新訳文庫、2017年3月)

  ***

岩波少年文庫の瀬田訳と、
光文社古典新訳文庫の土屋訳との関係を、
はじめに整理しておきます。

◎瀬田貞二(せたていじ, 1916.4-1979.8)訳
ナルニア国ものがたり(瀬田訳)
 1『ライオンと魔女』
  (1950年10月英国、同年11月米国)⇒1966年5月刊行
 2『カスピアン王子のつのぶえ』
  (1951年10月英国、52年9月米国)⇒1966年7月刊行
 3『朝びらき丸 東の海へ』
  (1952年9月英国・米国)⇒1966年8月刊行
 4『銀のいす』
  (1953年9月英国、10月米国)⇒1966年10月刊行
 5『馬と少年』
  (1954年9月英国、10月米国)⇒1966年11月刊行
 6『魔術師のおい』
  (1955年5月英国、10月米国)⇒1966年9月刊行
 7『さいごの戦い』
  (1956年3月英国、9月米国)⇒1966年12月刊行

◎土屋京子(つちやきょうこ, 1956- )訳
ナルニア国物語(土屋訳)
 1『魔術師のおい』
  (1955年5月英国、10月米国)⇒2016年9月刊行
 2『ライオンと魔女と衣装だんす』
  (1950年10月英国、同年11月米国)⇒2016年12月刊行
 3『馬と少年』
  (1954年9月英国、10月米国)⇒2017年3月刊行
 4『カスピアン王子』
  (1951年10月英国、52年9月米国)⇒※2017年6月刊行予定。
 5『ドーン・トレッダー号の航海』
  (1952年9月英国・米国)⇒※2017年9月刊行予定。
 6『銀の椅子』
  (1953年9月英国、10月米国)⇒※2017年12月刊行予定。
 7『最後の戦い』
  (1956年3月英国、9月米国)⇒※2018年3月刊行予定。


  ***

しばらく読んでなかったのですが、
もうすぐ4冊目が刊行されるので、
手に取ってみました。

読み出したらスイスイ読み進められて、
『老人の海』の2倍くらい分量がありましたが、
半分くらいの期間で読み終わりました。

やはり子供向けの作品ではあるので、
40代半ばになって、初めて読んで、
誰もが楽しめるとは言い難いのですが、

個人的には、1巻ごとに段々と
C・S・ルイスの世界に馴染んで来たからか、

あるいは場面設定がシンプルで、
初めて読んでも迷うところがなかったからか、
この3冊目が一番すんなりと心に入って来ました。

大人向けの過度な刺激はないのですが、
また日を置いて、繰り返し読んでみたくなる
C・S・ルイスの独特な魅力がなんとなくわかって来たように思います。

もうすぐ刊行されるはずの第4巻も楽しみに待ちたいです。


調べていると、
C・S・ルイスには「ナルニア国物語」の他にも、
学者として大人向けの宗教的な著作がたくさんあって、
翻訳も出ているみたいなので、

近々そちらの著作もどれか1冊選んで、
読んでみようと思い、少し勉強をはじめました。

2017年6月12日月曜日

【158冊目】Arthur Conan Doyle, The Return of Sherlock Holmes (PR Level 3)

やさしい英語の本、通算158冊目は、
ペンギン・リーダーズのレベル3(1200語レベルの)の22冊目として、

イギリスの小説家
アーサー・コナン・ドイル
(Arthur Conan Doyle, 1859年5月-1930年7月)の短編小説
『シャーロック・ホームズの生還 The Return of Sherlock Holmes
を読みました。

ドイル45歳の時(1905年2月)に刊行された第3短編集
『シャーロック・ホームズの生還 The Return of Sherlock Holmes
から3編選んで収録されています。


Sir Arthur Conan Doyle
The Return of Sherlock Holmes

Retold by Janet McAlpin
〔Penguin Readers Level 3〕
First published by Penguin Books 2000
This edition published 2008
12,921語

第3短編集
『シャーロック・ホームズの生還 The Return of Sherlock
には本来、1903年から1905年にかけて発表された
短編13編が収録されているのですが、

この1冊にはその中から、

1「The Six Napoleons (六つのナポレオン像)」
2「The Norwood Builder(ノーウッドの建築業者)」
3「The Golden Glasses(金縁のメガネ)」

の3編を選んで収録されています。

1「The Six Napoleons(六つのナポレオン像)」は、
 このままの原題で、
 英国の月刊誌『ストランド』1904年5月号
 米国の週刊誌『コリアーズ』1904年4月30日号に掲載。

2「The Norwood Builder(ノーウッドの建築業者)」は、
 このままの原題で、
 英国の月刊誌『ストランド』1903年11月号
 米国の週刊誌『コリアーズ』1903年10月31日号に掲載。

3「The Golden Glasses(金縁のメガネ)」は
 「The Golden Pince-Nez(金縁の鼻眼鏡)」の原題で、
 英国の月刊誌『ストランド』1904年7月号
 米国の週刊誌『コリアーズ』1904年10月29日号に掲載。


翻訳は、
日暮雅通(ひぐらしまさみち)氏の
『シャーロック・ホームズの生還』が、
日暮氏のわかりやすい訳文で3編とも読めるので、お薦めです。


日暮雅通(ひぐらしまさみち)訳
『シャーロック・ホームズの生還』
(光文社文庫〔新訳シャーロック・ホームズ全集〕2006年10月)
 ※「六つのナポレオン像」「ノーウッドの建築業者」「金縁の鼻眼鏡」を収録。

日暮訳には、
ほんの少しやさしくした版もあり、
こちらのほうがさらにわかりやすいのですが、

3編それぞれ別の巻に収録されているので、
3冊揃えないといけないのが難点でしょう。


日暮まさみち訳
「六つのナポレオン像」
『名探偵ホームズ 六つのナポレオン像』
(講談社青い鳥文庫、2011年10月)


日暮まさみち訳
「消えた建築業者」
『名探偵ホームズ 三年後の生還』
(講談社青い鳥文庫、2011年8月)


日暮まさみち訳
「金縁の鼻めがね」
『名探偵ホームズ 金縁の鼻めがね』
(講談社青い鳥文庫、2011年12月)

やさしい英語では、
3話で13,000語ほどにまとめてあるので、

訳の助けを借りなくても、
難なく1冊読み進めることができました。

個人的には以前より、
ドイルの堅実な作風に惹かれるところがあって、
いずれは原文のまま楽々読めるようになったら良いなと、
思えるようになって来ましたが、

ホームズ物を一気に全部読んでやろう!
と思うほどでもないので、
この調子でほどほどに楽しんでいこうと思います。


※第158冊目。総計1,491,023語。

2017年6月5日月曜日

【読了】ヘミングウェイ著(小川高義訳)『老人と海』(2014年9月刊行)

アメリカの小説家
アーネスト・ヘミングウェイ
(Ernest Hemingway, 1899年7月-1961年7月)の
小説『老人と海 The Old Man and the Seaを、
小川高義(おがわたかよし, 1956年2月- )氏の翻訳で読みました。

ヘミングウェイ53歳の時
アメリカの週刊誌『ライフ』1952年9月1日号に掲載された作品です。

小川氏58歳の時に刊行された翻訳です。


アーネスト・ヘミングウェイ著
/小川高義訳
『老人と海』
(光文社古典新訳文庫、2014年9月)

ゴールデンウィーク中に、前から読もうと思いつつ、
本棚に積んであった1冊『老人と海』を読みました。

以前は福田恆存(ふくだつねあり)氏の
新潮文庫を手元に置いてあったのですが、

福田氏の訳文は、
私には格調が高過ぎるのか、
ヘミングウェイ自体が私に合わないのか、

少し読みかけては違和感を感じ、
挫折することの繰り返しでした。


福田恆存(ふくだつねあり)訳
『老人と海』
(チャールズ・イー・タトル商会、1953年3月)
 ※三笠書房〔ヘミングウェイ全集10〕1956年2月に再録。◆196頁
 ※河出書房新社〔世界文学全集Ⅱ-18〕1963年に再録。
 ※中央公論社〔世界の文学44〕1964年4月に再録。
 ※三笠書房〔ヘミングウェイ全集7〕1964年12月に再録。◆356頁
 ※新潮文庫(1966年6月)に再録
 ※河出書房〔世界の文学 ポケット版 14〕1967年に再録。
 ※三笠書房〔ヘミングウェイ全集10〕1969年9月に再録。◆244頁
 ※新潮社〔新潮世界文学44〕1970年に再録。
 ※三笠書房〔ヘミングウェイ全集7〕1973年12月に再録。◆432頁
 ※河出書房新社〔河出世界文学大系89〕1980年11月に再録。
 ※文藝春秋〔福田恆存翻譯全集3〕1992年12月に再録。


訳者を変えたらどうだろうと、
小川高義(おがわたかよし)氏の翻訳を手に取ってみると、

よりわかりやすい訳文で、
楽しみながら読み進めることができました。

それでも、
一気に心をつかまれたかといえば
そうではなくて、

釣りをテーマにした小説を読み慣れていないせいか、
新訳でもやはり独特の読みにくさがあって、

時折立ち止まりながら、日を空けて読みついでいるうちに、
いつの間にか読み終わっていました。

硬派な男らしいカッコよさに彩られた
ヘミングウェイ独特の世界に惹き込まれ、
それなりに楽しめたのですが、

私がふだん生きている世界とはずいぶん距離もあって、
まだヘミングウェイのファンになったとは言えません。

恐らく釣り好きかどうかで、
まったく違った評価になる作品だと思うので、
もう少しほかの分野の作品も読んでみたいと思いました。


  ***

ふと思い出したのが、小学校の頃に読んだ
矢口高雄(やぐちたかお, 1939年10月- )氏の
漫画『釣りキチ三平』でした。

確かよく似た作品があったはずだと思い、
調べてみると、

矢口高雄(やぐちたかお)著
『釣りキチ三平(第37-42巻)
 ハワイのブルーマーリン1-6』
 (講談社コミックス、1979年9月-80年9月)

が該当することがわかりました。
2001年に再刊した版がまだ手に入るようなので、
近々手に入れてみようと思います。


矢口高雄著
『釣りキチ三平(海釣りselection 7・8・9)
 ブルーマーリン編Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ』
 (講談社漫画文庫、2001年6・6・7月)

細かな内容はすっかり忘れているのですが、
強く感銘を受けたことだけはしっかり記憶に残っていたので、
この機会に読み返してみたくなりました。

2017年5月29日月曜日

【157冊目】Arthur Conan Doyle, Sherlock Holmes and the Mystery of Boscombe Pool (PR Level 3)

やさしい英語の本、通算157冊目は、
ペンギン・リーダーズのレベル3(1200語レベルの)の21冊目として、

イギリスの小説家
アーサー・コナン・ドイル
(Arthur Conan Doyle, 1859年5月-1930年7月)の短編小説
「シャーロック・ホームズとボスコム谷の謎
  Sherlock Holmos and the Mystery of Boscombe Pool 
を読みました。

ドイル32歳の時に「ボスコム谷の謎 The Mystery of Boscombe Poolの原題で、月刊誌『ストランド・マガジン The Strand Magazine1891年10月号に掲載された後、最初の短編集『シャーロック・ホームズの冒険 The Adventures of Sherlock Holmes1892年10月刊行)に収録された作品です。


Sir Arthur Conan Doyle
Sherlock Holmes and the Mystery of Boscombe Pool

Retold by J.Y.K.Kerr
〔Penguin Readers Level 3〕
This adaptaiton first published by Penguin Books Ltd 1991
New edition first published 1999
This edition first published 2008
8,714語

久しぶりのホームズ、
これは初めて読む作品でした。

中学生の頃から
度々思い出したように読んで来ていますが、
そこまでのめり込んでもいないので、
まだ読んでない作品がたくさん残っています。

やさしくしてありますが、
推理小説ならではの謎解きを楽しみながら、
読み進めることができました。

当たり前のように感じていますが、
一定以上のレベルを備えた推理小説を、
60も書き継いでいくのは並大抵の筆力ではないなと、
ふと思い立ちました。


変な読み間違いをしないように、
翻訳も近くに置いておきました。

ホームズの翻訳は、いろいろ手に取った上で、
今は日暮雅通(ひぐらしまさみち)氏の2種の翻訳を気に入り、
どちらかを紐解くことが多いです。


日暮まさみち訳
「ボスコム谷のなぞ」
『名探偵ホームズ消えた花むこ』
(講談社青い鳥文庫、2011年2月)所収。


日暮雅通(ひぐらしまさみち)訳
「ボスコム谷の謎」
『シャーロック・ホームズの冒険』
(光文社文庫〔新訳シャーロック・ホームズ全集〕2006年1月)所収。

「日暮雅通」の筆名のほうが大人向けの完訳で、
「まさみち」の筆名のほうが子供向けの編訳になっています。

ただし、
編訳版でも大きな省略が行われているわけではなく、
文章の構成も完訳版とほとんど変わりがないので、

読みやすさを重視される場合は、
「日暮まさみち」訳のほうをお薦めします。

※第157冊目。総計1,478,102語。

2017年5月23日火曜日

【読了】佐々木克著『幕末史』(ちくま新書、2014年刊行)

佐々木克(ささきすぐる 1940年11月-2016年7月)氏による
概説『幕末史』(ちくま新書)を読みました。

本書は佐々木氏が74歳の時(2014年11月)に出版されました

佐々木氏については、裏表紙に
「1940年秋田県生まれ。1970年立教大学大学院文学研究科博士課程終了。京都大学教授、奈良大学教授を経て、現在京都大学名誉教授、京都大学博士(文学)。歴史学者、専門は明治維新史。」とありました。


佐々木克著
『幕末史』
(ちくま新書、2014年11月)

専門の研究者による
長年の研究成果をもとに書き下ろされた
手堅い通史で、興味深く最後まで読み進めることができました。

章立ては次の通りです。

 第1章 屈辱の出発 1853-1859
 第2章 尊王攘夷運動 1860-1863
 第3章 遠のく挙国一致 1863-1865
 第4章 日本を立ち直らせるために 1865-1866
 第5章 新政府の創設 1866-1867
 第6章 明治国家の課題 1868-1890

一素人に過ぎないので、
何も詳しい話はできませんが、

複雑に入り組んで今一つ掴みどころがなかった
「幕末史」の流れを、これまでより有機的に
つながりを持って理解することができました。

歴史はあまり抽象的に短くされても、
ただただ細かく長大にされても扱いに困るものです。

高校レベルの近代史の流れが
身についている人向けの記述なので、
歴史の苦手な方が、初めの入門書として読むには難しいように思いますが、

個人的には、
これくらいの分量でまとめてもらえると、
一分野の歴史として把握しやすいように感じました。

次は同じ「ちくま新書」から、
坂野潤治著『日本近代史』を読む予定です。

2017年5月16日火曜日

【156冊目】William MakepeaceThackeray, Vanity Fair (PR Level 3)

やさしい英語の本、通算156冊目は、
ペンギン・リーダーズのレベル3(1200語レベルの)の20冊目として、

インド出身のイギリスの小説家
ウィリアム・メイクピース・サッカレー
(William Makepeace Thackeray, 1811年7月-1863年12月)の
小説『虚栄の市 Vanity Fair を読みました。

サッカレー35歳から37歳の時、
1847年1月から翌年7月にかけて毎月分冊にて発表された小説です。


William Makepeace Thackeray
Vanity Fair

Retold by Pauline Francis
〔Penguin Readers Level 3〕
First published by Penguin Books 2000
This edition published 2008
23,566語

サッカレーの名のみどこかで聞いたことがありましたが、
作品を読んだことは一度もありませんでした。

ディケンズと同時代の作家による代表作ということで、
取り寄せて読んでみました。

『虚栄の市』という古めかしいタイトルに、
堅めの真面目なお話かと思っていたら、

全体的に軽めの筆致で、
したたかに貪欲に生きていく女性の姿を描いていて、
かの『風と共に去りぬ』を多少俗っぽくしたような印象が残る、
読み応えのある小説でした。

やさしい英語で読むと、
長い原作をかなり圧縮しているからか、
初めて読むには、却ってわかりにくいところがありました。

それでも手短にあらすじを知ることができるので、
作品の魅力に触れるのに役立つ1冊だと思いました。


  ***

翻訳は次の3点が見つかりました。

平田禿木(ひらたとくぼく)訳
『虚栄の市 (上・下)』
(国民文庫刊行会〔泰西名著文庫〕1914年6月・15年4月◇792・738頁)
 ※下巻の本文738頁に「とりあつめて」(20頁)「サッカレ書史」(11頁)が続く。

三宅幾三郎(みやけいくさぶろう)訳
『虚栄の市(一~六)』
(岩波文庫〔1-3〕1939年2・4・7月◇275・285・210頁。
     〔4-6〕1940年1・4・7月◇204・190・181頁)

 ※『虚栄の市(上・下)』
   (河出書房〔世界文学全集[第1期]第39・40〕1951年◇354・353頁)
 ※『虚栄の市』
   (河出書房新社〔世界文学全集[第3期]第7〕1957年◇486頁)


中島賢二(なかじまけんじ)訳
『虚栄の市(一~四)』
(岩波文庫〔1-2〕2003年9・11月◇434・447頁、
     〔3-4〕2004年1・3月◇446・381頁)

最近のものとしては中島訳があるのみですが、
購入してざっと目を通した限りでは、
十分読める訳文に仕上がっているように感じました。

それでも文庫4冊は多いので、
今後時間が取れそうな時に読んでみようと思います。

1998年にイギリスで製作されたBBCドラマが
DVDで手に入るようなので、
まずはこちらを観るのが一番かもしれません。


監督:マルク・マルデン(Marc Munden)
脚本:アンドリュー・デイビス(Andrew Davies)
主演:ナターシャ・リトル(Natasha Little)、
   フランシス・グレー(Frances Grey)
   フィリップ・グレニスター(Philip Glenister)

322分の大作なので、
こちらもまた時間のある時に。


※第156冊目。総計1,469,388語。

2017年5月3日水曜日

ジェフレイ・チョーサー著『カンタベリー物語』翻訳目録(抄)

ジェフレイ・チョーサー著『カンタベリー物語』翻訳目録(抄)

◎金子健二(かねこけんじ)訳
 『カンタベリ物語』
 (東亜堂書房、1917年12月◇816頁)
  ⇒◎『カンタベリ物語(上・下)』
    (国際文献刊行会〔世界奇書異聞類聚1・2〕1926年2・4月
     ◇500・260頁)


◯亘理俊雄(わたりとしお)訳註
 『カンタベリー物語 ―序歌』
 (尚文堂、1934年◇132頁)


◯金子健二編訳 
 『カンタベリ物語』
 (ふもと社、1948年◇259頁)
  ※「序の歌」「粉屋のおぢさん物語」「会計吏物語」
   「水夫物語」「温泉町バスのあばずれ女房物語」「托鉢僧物語」
   「召喚吏物語」「地主物語」「商人物語」の9話を収録。

  ⇒◯『カンタベリー物語』
    (角川文庫、1973年1月◇203頁)
     ※「序の歌」「粉屋の物語」「家扶の物語」
       「船乗り物語」「バースの女房の物語」「托鉢僧の物語」
       「送達吏の物語」「郷士の物語」「商人の物語」の9話を収録。

 ★構成をみる限り、1973年刊行の「角川文庫」版は、
  1948年刊行の「ふもと社」版をもとに編集されたはずであるが、
  題名だけをみても、様々な改訂が加えられている。
  金子氏は1961年に亡くなっているので、
  1973年刊行の「角川文庫」編集の経緯には不明な所がある


◯小林智賀平(こばやしちかひら)編訳
 『カンタベリー物語』
 (コギト社、1948年◇164頁)


◯吉田新吾訳(よしだしんご)編訳
 『キャンタベリー物語』
 (創元社、1948年◇304頁)
  ※「序歌」「騎士の物語」「粉屋の物語」「家扶の物語」
   「修道尼院長の物語」「修道尼附僧侶の物語」
   「免罪僧の物語」「バースの女房の物語」の8話を収録。


◎西脇順三郎(にしわきじゅんざぶろう)訳
 『カンタベリ物語(上・中)』
 (東西出版社〔もだん・らいぶらりい〕1949年◇397・257頁、未完)

  ⇒◎『カンタベリ物語』
    (河出書房〔世界文学全集[第2期]7 〕1951年12月◇424頁)
  ⇒◯「カンタベリ物語」
    (筑摩書房〔世界文学大系8〕1961年◇174頁〔5-178〕※計395頁)
  ⇒◎「カンタベリ物語」
    (筑摩書房〔筑摩世界文学大系12〕1972年11月◇*頁〔-〕計496頁)
  ⇒◎『カンタベリ物語』
    (筑摩書房〔近代世界文学1〕1974年10月◇*頁〔-〕計485頁 )

  ⇒◎『カンタベリ物語(上・下)』
    (ちくま文庫、1987年4・5月◇433・435頁)


◯御輿員三(おごしかずそう)訳解
 『二十六の群像 :キャンタベリー物語序歌訳解』
 (南雲堂、1959年◇145頁)


◯神戸海星女子学院大学編
 『総序の詩 :チョーサーのカンタベリー物語』
 (中央出版社、1981年3月◇227頁)※対訳


◯神戸海星女子学院大学編
 『騎士の物語 :チョーサーのカンタベリー物語』
 (中央出版社、1983年3月◇390頁)※対訳


◯桝井迪夫(ますいみちお)訳
 『カンタベリー物語(上)』
 (岩波文庫、1973年11月◇345頁。未完)

 ⇒◎『完訳 カンタベリー物語(上・中・下)』
   (岩波文庫、1995年1月◇350・472・326頁)


◯繁尾久(しげおひさし)編訳
 『カンタベリ物語 選』
 (荒地出版社、1985年3月◇275頁)
  ※9話を収録。



◯武居正太郎(たけすえまさたろう)編訳
 『カンタベリ物語選訳集』
 (泉屋書店、2000年6月)
  ※「総序」「粉屋の物語」「家扶の物語」「船長の物語」
   「尼僧付き僧の物語」「免償説教師の物語」「バースの女房の物語」
   「托鉢僧の物語」「貿易商人の物語」の9話を収録。



◎笹本長敬(ささもとひさゆき)訳
 『カンタベリー物語』
 (英宝社、2002年6月◇677頁)


※インターネット上に公開されている玉井美枝子(たまいみえこ)著「本邦初訳の『カンタベリ物語』」(『英学史研究』第18号、1986年)も参照。