2016年11月28日月曜日

【145冊目】Sheila Burnford, The Incredible Journey (PAR Level 3)

やさしい英語の本、通算145冊目は、
ペンギン・アクティブ・リーディングのレベル3(1200語レベル)の3冊目として、

スコットランドに生まれ、
のちにカナダに移住した小説家
シーラ・バーンフォード(1918.5-1984.4)の
動物小説『信じられぬ旅』を読みました。

著者42歳の時
1960年にカナダとイギリスで〔Toronto and London: Hodder & Stoughton〕、
1961年にアメリカで出版されました〔Boston: Little, Brown〕。


Sheila Burnford
The Incredible Journey

Retold by Joanna Strange
〔Penguin Active Reading Level 3〕
First Penguin Readers edition published 2004
This edition published 2008
14,895語

インターネットで
ペンギン・アクティブ・リーディングの目録を眺めているうちに、
ふと気になった作品です。

カナダの大自然を舞台に、
2匹の犬と1匹の猫が活躍する児童向けの動物小説ということで、
興味をもって読んでみることにしました。

調べてみると、
出版後すぐに大ベストセラーになったことから、
ディズニーによって映画化され、
今から53年前の1963年11月に初公開

日本でも『三匹荒野を行く』という邦題で、
1965年1月に公開されましたが、
私の生まれるだいぶ前のことなので、
まったく知りませんでした。

ちなみに映画はアニメではなく、
実写版の動物映画です。


翻訳は次の3種類が見つかりました。

藤原英司(ふじわらえいじ)訳
『信じられぬ旅』
(集英社〔コンパクト・ブックス〕1965年)
 ※集英社〔動物文学シリーズ〕1969年に再録。
 ※集英社文庫(1978年12月)に再録。
 ※講談社〔世界動物文学全集14〕1979年12月に再録。

山本まつよ訳
『三びき荒野を行く』
(あかね書房〔国際児童文学賞全集10カナダ編〕1965年6月)

辺見栄(へんみさかえ)訳
『三匹荒野を行く』
(集英社〔世界の動物名作1〕1972年)
 ※辺見訳は市場にほとんど出回っていないようです。

一番手に入れやすい藤原訳を手に入れました。
わかりやすい正確な訳文ではありますが、
素っ気のない文体で、文章自体にはあまり魅力を感じませんでした。

一貫して第三者の視点から、
3匹の主人公を客観的に描き出していくスタイルで、
動物が人間のように自分のことをしゃべりだす場面はありません。

内容的にも「信じられぬ旅」とは言いながら、
ファンタジー的な要素はなく、
あくまで現実的にギリギリ起こりそうな事柄しか描かれていないので、

完訳で全部を読み切るのは、
少し退屈なことのように思われました。

ただし藤原訳から
すでに半世紀は過ぎているので、
新訳で装いを新たにすれば、
まったく違った印象を受ける可能性も高いです。


  ***

やさしい英語で読む分には、
退屈な思いをする間もなく、
どんどん物語が進んでいきますので、

動物が出て来る楽しいお話として、
簡単に読み進めることができました。

ただやはり、
ストーリーの展開が少し平板な気がするのも確かなので、
忘れられた傑作とまでいえるかどうかは、
少し時間をおいて再読してみたいと思います。

もしかしたら原書で読んだほうが、
魅力の伝わりやすい所があるのかもしれません。


シーラ・バーンフォード氏は
それほど多作でなかったようですが、
ほかにも邦訳が出ていないか調べてみると、
興味深い一冊が見つかりました。

中村妙子(なかむらたえこ)訳
『ベル・リア ―戦火の中の犬』
(評論社、1978年10月)

古本で安く手に入るので、
近々こちらも購入して読んでみようと思います。



※第145冊目。総計1,288,504語。


※Wikipediaの「Sheila Burnford」「The Incredible Journey」を参照。

2016年11月21日月曜日

【読了】ユン・チアン&ジョン・ハリディ著『真説 毛沢東(下)』

中華人民共和国出身、イギリス在住の著作家
ユン・チアン(張戎 1952.3- )と、

イギリス在住のロシア史研究家
ジョン・ハリディ(John Halliday)の共著による

毛沢東(1893.12-1976.9)の評伝
“MAO The Unknown Story”の翻訳
『真説 毛沢東(下)』を読みました。

2005年に土屋京子(つちやきょうこ)氏の翻訳で出版された
『マオ 誰も知らなかった毛沢東(下)』を改題のうえ再刊したものです。


ユン・チアン&ジョン・ハリディ共著
土屋京子(つちやきょうこ)訳
『真説 毛沢東(下)』
(講談社α文庫、2016年6月)
 ※初出は講談社、2005年11月。原題『マオ 誰も知らなかった毛沢東(下)』

 ※下巻末の追記に、
 「この本の原著“MAO The Unknown Story”が出版されたのは、
  二〇〇五年六月でした。その後、
  著者が原著のところどころに加筆、削除、修正をほどこし、
  現在、著者の意向を最も正確に反映しているのは
  ヴィンテージ・ブックスから二〇〇七年に出された版です。
   今回、単行本『マオ 誰も知らなかった毛沢東』を
  講談社+α文庫から『真説毛沢東 誰も知らなかった実像』として
  出版しなおす機会に、最新版の“MAO”にもとづいて、
  日本語の訳文も数十ヵ所の加筆、削除、訂正をおこないました。
                   二〇一六年五月  土屋京子」
 とある(下巻705頁)。

無事に下巻も読み終わりました。

大戦の4年後、
中華人民共和国が成立して以降の、
毛沢東の後半生が描かれていました。

各章それぞれに、
数冊の研究書が必要となる分量を、
圧縮して一章につめこんでいるので、

個々の記述にまで踏み込むと、
若干食い足りない印象も残りました。
章立ては以下の通りです。


第5部 超大国の夢
 第32章 スターリンと張り合う
     1949-49年★毛沢東53-55歳
 第33章 二大巨頭の格闘
     1949-50年★毛沢東55-56歳
 第34章 朝鮮戦争を始めた理由
     1949-50年★毛沢東55-56歳
 第35章 朝鮮戦争をしゃぶりつくす
     1950-53年★毛沢東56-59歳
 第36章 軍事超大国計画
     1953-54年★毛沢東59-60歳
 第37章 農民を敵に回す
     1953-56年★毛沢東59-62歳
 第38章 フルシチョフを揺さぶる
     1956-59年★毛沢東62-65歳
 第39章 百花斉放の罠
     1957-58年★毛沢東63-64歳
 第40章 大躍進―国民の半数が死のうとも
     1958-61年★毛沢東64-67歳
 第41章 彭徳懐の孤独な戦い
     1958-59年★毛沢東64-65歳
 第42章 チベット動乱
     1950-61年★毛沢東56-67歳
 第43章 毛沢東主義を世界に売り込む
     1959-64年★毛沢東65-70歳
 第44章 劉少奇の奇襲
     1961-62年★毛沢東67-68歳
 第45章 原子爆弾
     1962-64年★毛沢東68-70歳
 第46章 不安と挫折の日々
     1962-65年★毛沢東68-71歳

第6部 復讐の味
 第47章 林彪との取引
     1965-66年★毛沢東71-72歳
 第48章 文革という名の大粛清
     1966-67年★毛沢東72-73歳
 第49章 復讐の後味
     1966-74年★毛沢東72-80歳
 第50章 新たな執行体制
     1967-70年★毛沢東73-76歳
 第51章 戦争騒ぎ
     1969-71年★毛沢東75-77歳
 第52章 林彪事件
     1970-71年★毛沢東76-77歳
 第53章 毛沢東主義、世界でもつまずく
     1966-70年★毛沢東72-76歳
 第54章 反共ニクソン、赤に呑まれる
     1970-73年★毛沢東76-79歳
 第55章 周恩来の癌を進行させる
     1972-74年★毛沢東78-80歳
 第56章 江青の文革
     1966-75年★毛沢東72-81歳
 第57章 老人毛沢東、保身を図る
     1973-76年★毛沢東79-82歳
 第58章 最後の日々
     1974-76年★毛沢東80-82歳


朝鮮戦争について、
大躍進について、
チベット侵略について、
文化大革命について、

どれも一章どころか
数冊費やしても語りつくせない大きなテーマなので、
本書をもとに大きな流れをつかんで、
より深く学んでいくきっかけになれば良いのでしょう。

下巻からの内容は、
それなりに自分でも勉強してきたからか、
上巻ほどの目新しさはありませんでしたが、

これまで個々に学んできた歴史的事件を、
大きな流れの中でつなげて理解できたのが、
一番の収穫でした。

細かい歴史的事実を一つずつ積み上げていくタイプの
「毛沢東伝」ではないので、
年表的な使い方を期待する場合は今一つかと思いますが、

毛沢東の生涯を、
中国史の大きな流れの中で、
中国共産党の立場からは離れて理解しようとする場合は、
大きな助けになる一冊でした。


最後に1点、土屋京子氏の翻訳が、
もとから日本語で書かれていたのかと見間違うほどに、
読みやすい訳文に仕上がっていたことも、
読書の大きな助けになりました。

大部な書物なので、その点ありがたかったです。



※Wikipediaの「ユン・チアン」「ジョン・ハリディ」を参照。

2016年11月14日月曜日

◇ディケンズ主要著作 翻訳目録(抄)

ディケンズ主要著作 翻訳目録(抄)


ペンギン・アクティブ・リーディング
のレベル3(1200語レベル)に収録されている
ポール・シプトン著『チャールズ・ディケンズ』
に掲載されている

ディケンズ(1812.2-1870.6)の主要著作について、
日本でどのような翻訳が刊行されているのか調べてみました。

自分の今後の読書案内に、
主にCiNii(NII学術情報ナビゲータ〔サイニィ〕)と
Amazon の検索を用いて整理しただけなので、
学術的な使用に耐えるものではありません。


Sketches by Boz
◇『ボズのスケッチ集』『ボズのスケッチ』 『ボズの素描集
 ⇒1933年から36年にかけて〔21-24歳〕
  新聞・雑誌等に発表されたスケッチ集。
  第1集2巻(1936年2月)、第2集1巻(同年8月)刊行。
  再編した1巻本を1939年に刊行。

・藤岡啓介(ふじおかけいすけ)訳
 『ボズのスケッチ』
 (未知谷、2013年6月)

・田辺洋子(たなべようこ)訳
 『ボズの素描集』
 (あぽろん社、2008年4月)

・藤岡啓介(ふじおかけいすけ)訳
 『ボズのスケッチ ―短篇小説篇(上・下)』
 (岩波文庫、2004年1・2月)

・藤本隆康(ふじもとたかやす)訳
 『ボズの素描集』
 (日本図書刊行会、1993年10月)


Pickwick Papers
◇『ピクウィック・ペイパーズ』『ピクウィック・ペーパーズ
 『ピクウィック・クラブ』『ピクウィック倶楽部
 ⇒1836年4月から37年11月まで月刊分冊〔24-25歳〕。

・田辺洋子(たなべようこ)訳
 『新訳 ピクウィック・ペーパーズ(上・下)』
 (あぽろん社、2002年7月)

・北川悌二(きたがわていじ)訳
 『ピクウィック・クラブ(上・中・下)』
 (ちくま文庫、1990年2-4月)
  ※初出は三笠書房、1971年。

・宮西豊逸(にしみやほういつ)訳
 『ピクウィック倶楽部(上・中・下)』
 (三笠書房〔世界文学選書66-68〕1951年1-6月)


Oliver Twist
◇『オリヴァー・トゥイスト』『オリヴァ・トウィスト』
 『オリバー・ツイスト』『オリヴァー・ツウィスト』『オリバーの冒険
 ⇒1837年2月から39年3月まで月刊分冊〔25-27歳〕

・田辺洋子(たなべようこ)訳
 『新訳 オリヴァー・トゥイスト』
 (あぽろん社、2009年10月)

・本多顕彰(ほんだあきら)訳
 『オリバー・ツウィスト』
 (あかね書房〔少年少女世界の文学5〕1971年5月)

・小池滋(こいけしげる)訳
 『オリヴァー・トゥイスト(上・下)』
 (ちくま文庫、1990年12月)
  ※初出は講談社〔世界文学全集13〕1970年5月。
  ※その後、講談社文庫(1971年)に再録。
  ※その他、学習研究社〔世界文学全集9〕1977年11月に再録。

・北川悌二(きたがわていじ)訳
 『オリバー・ツイスト(上・下)』
 (角川文庫、2006年1月)
  ※初出は『オリヴァ・トウィスト』(三笠書房)
   インターネット上では、
    『オリヴァ・トウィスト(続)』(三笠書房、1968年)
    『オリヴァ・トウィスト』(三笠書房、1971年)
    『オリヴァ・トウィスト(1・2)』(三笠書房、1972年)
   の3種類見つかるが、詳細は調査中。
  ※その後、『オリヴァー・トウィスト』
   (日本ブック・クラブ〔世界文学全集11〕1974年7月)に再録。

・松本恵子(まつもとけいこ)訳
 『オリバーの冒険』
 (小学館〔少年少女世界名作文学全集32〕1963年8月)

・本多季子(ほんだすえこ)訳
 『オリヴァ・ツウィスト(上・下)』
 (岩波文庫、1956年6月)

・中村能三(なかむらよしみ)訳
 『オリバー・ツイスト(上・下)』
 (新潮文庫、1955年。改版 2005年12月。原題『オリヴァ・ツイスト』)
  ※初出は『オリヴァ・ツイスト』(新潮社、1953年9月)。

・鷲巣尚(わしのすひさし)訳
 『オリヴァ・トウィスト(上・下)』
 (角川文庫、1953年8・10月)

・片山昌造(かたやましょうぞう)訳
 『オリバー・ツイスト』
 (大日本雄弁会講談社〔世界名作全集56〕1953年7月)

・松本泰(まつもとやすし)・松本恵子(まつもとけいこ)共訳
 『漂泊の孤児』
 (中央公論社〔ヂッケンス物語全集1〕1936年10月)

・馬場孤蝶(ばばこちょう)訳
 『オリヴァー・ツウィスト』
 (改造社〔世界大衆文学全集9〕1930年1月)
  ※改造社〔世界大衆文学名作選集17〕1939年11月に再録。


Nicholas Nickleby
◇『ニコラス・ニクルビー
 ⇒1838年4月から39年10月まで月刊分冊〔26-27歳〕

・田辺洋子(たなべようこ)訳
 『ニコラス・ニクルビー(上・下)』
 (こびあん書房、2001年4月)

・菊池武一(きくちたけかず)訳
 『善神と魔神と ニコラス・ニグルビー(1)』
 (角川文庫、1953年9月)

・松本泰(まつもとやすし)・松本恵子(まつもとけいこ)共訳
 『開拓者』
 (中央公論社〔ヂッケンス物語全集7〕1937年5月)


The Old Curiosity Shop
◇『骨董屋
 ⇒1840年4月から1841年2月まで月刊分冊〔28-29歳〕

・田辺洋子(たなべようこ)訳
 『新訳 骨董屋』
 (あぽろん社、2008年11月)

・北川悌二(きたがわていじ)訳
 『骨董屋(上・下)』
 (ちくま文庫、1989年9・10月)
  ※初出は三笠書房(1973年7月)


Barnaby Rudge
◇『バーナビー・ラッジ』『バーナビ・ラッジ
 ⇒1841年2月から同年11月まで月刊分冊〔29歳〕

・田辺洋子(たなべようこ)訳
 『新訳 バーナビ・ラッジ』
 (あぽろん社、2003年7月)

・小池滋(こいけしげる)訳
 『バーナビー・ラッジ』
 (集英社〔世界文学全集15〕1975年10月)
  ※集英社ギャラリー〔世界の文学 イギリス2〕1990年6月に再録。

・松本泰(まつもとやすし)・
 松本恵子(まつもとけいこ)共訳
 『少女瑠璃子』
 (中央公論社、1937年1月)


American Notes
◇『アメリカ紀行』『アメリカ見聞記
 ⇒1842年10月刊行〔30歳〕

・伊藤弘之(いとうひろゆき)・
 下笠徳次(しもがさとくじ)・
 隈元貞広(くまもとさだひろ)共訳
 『アメリカ紀行(上・下)』
 (岩波文庫、2005年10・11月)


Martin Chuzzlewit
◇『マーティン・チャズルウィット
 ⇒1843年1月から44年7月まで月刊分冊〔31-32歳〕

・田辺洋子(たなべようこ)訳
 『新訳 マーティン・チャズルウィット(上・下)』
 (あぽろん社、2005年)

・北川悌二(きがたわていじ)訳
 『マーティン・チャズルウィット(上・中・下)』
 (ちくま文庫、1993年8-10月)
  ※初出は三笠書房(1974年9月)

・松本泰(まつもとやすし)・
 松本恵子(まつもとけいこ)共訳
 『千鶴井家の人々』
 (中央公論社〔ヂッケンス物語全集5〕 1937年2月)


A Christmas Carol
◇『クリスマス・キャロル
 ⇒1843年12月刊行〔31歳〕

・井原慶一郎(いはらけいいちろう)訳
 『クリスマス・キャロル』
 (春風社、2015年11月)◇256p

・杉田七重(すぎたななえ)訳
 『クリスマス・キャロル』
 (角川つばさ文庫、2013年11月)

・梅宮創造(うめみやそうぞう)訳
 「『クリスマス・キャロル』前後」
 (大阪教育図書、2013年10月)◇244p
  ※『クリスマス・キャロル(小説)』の翻訳とともに、
   『クリスマス・キャロル(朗読台本・全四曲)』
   その他4作品の翻訳を収録。

・田辺洋子(たなべようこ)訳
 『クリスマス・ブック』
 (渓水社、2012年9月)
  ※「クリスマス・キャロル」「鐘の精」「炉端のこおろぎ」
   「人生の戦い」「憑かれた男」の5作を収録。

・池央耿(いけひろあき)訳
 『クリスマス・キャロル』
 (光文社古典新訳文庫、2006年11月)

・脇明子(わきあきこ)訳
 『クリスマス・キャロル』
 (岩波少年文庫、2000年11月。愛蔵版、2009年10月)

・中川敏(なかがわさとし)訳
 『クリスマス・キャロル』
 (集英社文庫、1991年11月)

・夏目道子(なつめみちこ)訳
 『クリスマス・キャロル』
 (金の星社〔フォア文庫〕1991年11月)

・八木田宜子(やぎたよしこ)訳
 『クリスマス・キャロル』
 (集英社〔少年少女世界名作の森2〕1989年11月)

・こだまともこ訳
 『クリスマスキャロル』
 (講談社青い鳥文庫、1984年11月。新装版、2007年11月)
  ※講談社〔少年少女世界文学館7〕1987年11月に再録。
  ※講談社〔21世紀版 少年少女世界文学館7〕2010年10月に再録。

・皆川宗一(みながわそういち)訳
 『クリスマス・キャロル』
 (河出書房新社〔世界文学全集6〕1961年3月)
  ※河出書房新社〔世界文学全集5〕1966年1月に再録。
  ※河出書房新社〔世界文学全集カラー版10〕1967年10月に再録。
  ※河出書房新社〔河出世界文学大系28〕1980年11月に再録。
  ※河出書房新社〔河出世界文学全集6〕1989年10月に再録。

・村岡花子(むらおかはなこ)訳
 『クリスマス・キャロル』
 (新潮文庫、2011年11月)
  ※新潮文庫への初収録は1952年11月。
   2011年の改版までは原題『クリスマス・カロル』
  ※河出書房新社〔世界文学の玉手箱18〕1994年12月に再録。

・金口儀明(かなぐちよしあき)訳
 『クリスマス・キャロル』
 (開文堂、1951年)

・村山英太郎(むらやめいたろう)訳
 『クリスマス・キャロル』
 (岩波少年文庫、1950年12月。改版、1967年12月)

・安藤一郎(あんどういちろう)訳
 『クリスマス・カロル』
 (講談社〔少年少女世界文学全集6 イギリス編3〕1959年
  ※初出はトッパン〔浪漫新書〕1948年11月。原題『クリスマスの歌』

・原島義衛(はらしまよしもり)訳
 『クリスマス・キャロル』
 (筑紫書房、1948年9月)

・森田草平(もりたそうへい)訳
 『全訳クリスマス・カロル』
 (尚文堂、1926年10月)

・中島孤島(なかじまことう)訳
 『クリスマス・カロル』
 (家庭読物刊行会〔世界少年文学名作集13〕1920年8月)
  ※精華書院〔世界少年文学名作集13〕1922年3月に再録。

・矢口達(やぐちたつ)訳
 『クリスマスカロル』
 (三星社出版部、1915年3月)

・浅野和三郎(あさのわさぶろう)訳
 『クリスマス・カロル』
 (大日本図書、1902年4月)


Pictures from Italy
◇『イタリアのおもかげ
 ⇒1846年5月刊行〔34歳〕

・伊藤弘之(いとうひろゆき)・
 下笠徳次(しもがさとくじ)・
 隈元貞広(くまもとさだひろ)共訳
 『イタリアのおもかげ』
 (岩波文庫、2010年4月)


Dombey and Son
◇『ドンビー父子
 ⇒1846年10月から48年4月まで月刊分冊〔34-36歳〕

・田辺洋子(たなべようこ)訳
 『ドンビー父子(上・下)』
 (こびあん書房、2000年5月)

・松本泰(まつもとやすし)・松本恵子(まつもとけいこ)共訳
 『鉄の扉』
 (中央公論社〔ヂッケンス物語全集8〕1937年6月)


David Copperfield
◇『デイヴィッド・コパフィールド
 ⇒1849年4月から50年10月まで月刊分冊〔37-38歳〕 。

・田辺洋子(たなべようこ)訳
 『新訳 デイヴィッド・コパフィールド(上・下)』
 (あぽろん社、2006年)

・石塚裕子(いしづかひろこ)訳
 『デイヴィッド・コパフィールド(1-5)』
 (岩波文庫、2002年7月-2003年3月)

・中野好夫(なかのよしお)訳
 『デイヴィッド・コパフィールド(1-4)』
 (新潮文庫、1967年2月-。改版、2006年9月)
  ※初出は新潮社〔世界文学全集12・13〕1963年。

・市川又彦(いちかわまたひこ)訳
 『デイヴィド・コパフィールド(1-6)』
 (岩波文庫、1950年7月-52年12月)

・松本泰(まつもとやすし)・松本恵子(まつもとけいこ)共訳
 『男の一生』
 (中央公論社〔ヂッケンス物語全集9〕1937年7月)

・平田禿木(ひらたとくぼく)訳/島田謹二(しまだきんじ)校定
 『デエヴィド・カッパフィルド(1-4)』
 (国民文庫刊行会〔世界名作大観、1925年6月-28年7月〕
  ※『デェィヴィッド・カッパフィールド(1-3)』
   (日本評論社〔世界古典文庫43-45〕1949年11月-)に再録。未完か?

・矢口達(やぐちたつ)訳
 『デヰ゛ッドの生立ち(1-4)』
 (春陽堂〔世界名作文庫6-9〕1932年)
  ※初出は早稲田大学出版部(上下2冊、1918年12月)


Bleak House
◇『荒涼館
 ⇒1852年3月から53年9月まで月刊分冊〔40-41歳〕

・田辺洋子(たなべようこ)訳
 『新訳 荒涼館』
 (あぽろん社、2007年8月)

・青木雄造(あおきゆうぞう)・小池滋(こいけしげる)共訳
 『荒涼館(1-4)』
 (ちくま文庫、1989年)
  ※初出は筑摩書房〔世界文学大系29〕1969年7月。
  ※筑摩書房〔筑摩世界文学大系34〕1975年1月に再録。

・松本泰(まつもとやすし)・松本恵子(まつもとけいこ)共訳
 『北溟館物語』
 (中央公論社〔ヂッケンス物語全集2〕1936年11月)


Hard Times
◇『ハード・タイムズ
 ⇒1854年4月から同年8月まで週刊分冊〔42歳〕 。

・田辺洋子(たなべようこ)訳
 『新訳 ハード・タイムズ』
 (あぽろん社、2009年3月)

・山村元彦(やまむらもとひこ)・
 竹村義和(たけむらよしかず)・
 田中孝信(たなかたかのぶ)共訳
 『ハード・タイムズ』
 (英宝社、2000年4月)

・柳田泉(やなぎだいずみ)訳
 『世の中』
 (新潮社〔世界文学全集18〕1928年10月)
  ※『二都物語』との合冊。


Little Dorrit
◇『リトル・ドリット
 ⇒1855年12月から57年6月まで月刊分冊〔43-45歳〕 。

・田辺洋子(たなべようこ)訳
 『リトル・ドリット(上・下)』
 (あぽろん社、2004年7月)

・小池滋(こいけしげる)訳
 『リトル・ドリット(1-4)』
 (ちくま文庫、1991年1月-4月)

・松本泰(まつもとやすし)・松本恵子(まつもとけいこ)共訳
 『貧富の華』
 (中央公論社〔ヂッケンス物語全集10〕1937年8月)


A Tale of Two Cities
◇『二都物語
 ⇒1859年4月から同年11月まで週刊分冊〔47歳〕 。

・池央耿(いけひろあき)訳
 『二都物語(上・下)』
 (光文社古典新訳文庫、2016年3月)

・加賀山卓朗(かがやまたくろう)訳
 『二都物語』
 (新潮文庫、2014年6月)

・田辺洋子(たなべようこ)訳
 『二都物語』
 (あぽろん社、2010年4月)

・中野好夫(なかのよしお)訳
 『二都物語(上・下)』
 (新潮文庫、1967年1月。改版、2012年8月)
  ※初出は集英社〔世界の名作21〕1965年2月。
  ※河出書房新社〔世界文学全集5〕1966年1月に再録。
  ※河出書房新社〔河出世界文学大系28〕1980年11月に再録。
  ※河出書房新社〔河出世界文学全集6〕1989年10月に再録。

・猪俣礼二(いのまたれいじ)訳
 『二都物語』
 (河出書房〔世界文学全集 第2期6〕1955年11月)

・阿部知二(あべともじ)訳
 『二都物語』
 (筑摩書房〔中学生全集64〕1951年12月)

・原百代(はらももよ)訳
 『二都物語(上・下)』
 (岡倉書房、1950年)

・佐々木直次郎(ささきなおじろう)訳
 『二都物語(上・中・下)』
 (岩波文庫、1936年10月-37年6月。上下2冊に改版、1948年4・10月)

・大久保康雄(おおくぼやすお)訳
 『二都物語』
 (新文社〔世界名著物語文庫〕1946年7月)

・松本泰(まつもとやすし)・
 松本恵子(まつもとけいこ)共訳
 『二都物語』
 (中央公論社〔ヂッケンス物語全集6〕1937年4月)

・柳田泉(やなぎだいずみ)訳
 『二都物語(上・下)』
 (新潮文庫、1937年4月)
  ※初出は新潮社〔世界文学全集18〕1928年10月。


Great Expectations
◇『大いなる遺産
 ⇒1960年12月から61年8月まで週刊分冊〔48-49歳〕 。

・石塚裕子(いしづかひろこ)訳
 『大いなる遺産(上・下)』
 (岩波文庫、2014年)

・山西英一(やまにしえいいち)訳
 『大いなる遺産(上・下)』
 (新潮文庫、1951年10月。改版、2013年10月)
  初出は改造社(上下2冊。1948年9・12月)。

・佐々木徹(ささきとおる)訳
 『大いなる遺産(上・下)』
 (河出文庫、2011年7月)

・山本政喜(やまもとまさき)訳
 『大いなる遺産(上・中・下)』
 (角川文庫、1952年。改訂版、1998年5月)

・松本泰(まつもとやすし)・松本恵子(まつもとけいこ)共訳
 『謎の恩恵者』
 (中央公論社〔ヂッケンス物語全集3〕1936年12月)


Our Mutual Friend
◇『我らが共通の友』『互いの友
 ⇒1864年5月から65年11月まで月刊分冊〔52-53歳〕

・間二郎(はざまじろう)訳
 『我らが共通の友(上・中・下)』
 (ちくま文庫、1997年)

・田辺洋子(たなべようこ)訳
 『互いの友(上・下)』
 (こびあん書房、1996年8・9月)


The Mystery of Edwin Drood
◇『エドウィン・ドゥルードの謎』『エドウィン・ドルードの謎
 ⇒1870年4月から月刊分冊〔未完 58歳没〕

・田辺洋子(たなべようこ)訳
 『エドウィン・ドゥルードの謎』
 (渓水社、2010年10月)

・小池滋(こいけしげる)訳
 『エドウィン・ドルードの謎』
 (白水uブックス、2014年5月)
  ※初出は創元推理文庫(1988年5月)



著作の書誌情報は、
 松村昌家(まつむらまさいえ)著
 『ディケンズ小事典』
 (研究社出版、1994年1月)
を参照しました。おそらく現在は、
 西條隆雄・原英一・佐々木徹・松岡光治・植木研介 共著
 『ディケンズ鑑賞大事典』
 (南雲堂、2007年6月)
をまず紐解くべきなのでしょうが、高価で手が出せません。

ディケンズの伝記は、
 三ツ星堅三(みつぼしけんぞう)著
 『チャールズ・ディケンズ ―生涯と作品―』
 (創元社、1995年10月)
のみ手に入れました。専門家向けの伝記ですが、
研究者に珍しく読ませる文章力で、
一般向けにもお薦めの1冊に仕上がっていました。

2016年11月12日土曜日

【144冊目】Paul Shipton, Charles Dickens (PAR Level 3)

やさしい英語の本、通算144冊目は、
ペンギン・アクティブ・リーディングのレベル3(1200語レベル)の2冊目として、

英語学習者向けに
やさしい英語の本を書き下ろされている
ポール・シプトン氏による

イギリスの小説家
チャールズ・ディケンズ(1812.2-1870.6)の評伝を読みました。


Paul Shipton
Charles Dickens

〔Penguin Active Reading Level 3〕
This edition first published by Pearson Education Ltd 2007
13,439語

四十を過ぎるまで、
『クリスマス・キャロル』すらまともに読んだことがなかったので、
著者ディケンズについても何も知らぬまま生きて来ました。

やさしい英語の本を読むようになって、
『クリスマス・キャロル』や『デイヴィッド・コパフィールド』や『二都物語』で、
その深い魅力に気がつくようになると、
ディケンズ本人についてより詳しく知りたくなりました。

しかし日本語で、
ディケンズの手ごろな入門書がないか探してみると、
研究者向けの高価で大部なものが多く、
高校生くらいから読めそうなわかりやすいものは出ていませんでした。

今回のやさしい英語によるディケンズの評伝、

一見難しそうでしたが、
実際に読んでみると初心者の私にもわかりやすく、
ディケンズの生涯を大まかにたどりながら、
主要な著作の内容も手短に紹介してあって、
読書案内としてもとてもよく出来ていました。

どれも原文はかなり難渋なようなので、まずは翻訳で、
『オリバー・ツイスト』あたりから1作ずつ読み進めていこうと思います。
紹介されていた著作を以下にまとめておきます。


Sketches by Boz
◇『ボズのスケッチ集』『ボズのスケッチ』 『ボズの素描集
 ⇒1933年から36年にかけて〔21-24歳〕
  新聞・雑誌等に発表されたスケッチ集。
  第1集2巻(1936年2月)、第2集1巻(同年8月)刊行。
  再編した1巻本を1939年に刊行。

Pickwick Papers
◇『ピクウィック・ペイパーズ』『ピクウィック・ペーパーズ
 『ピクウィック・クラブ』『ピクウィック倶楽部
 ⇒1836年4月から37年11月まで月刊分冊〔24-25歳〕

Oliver Twist
◇『オリヴァー・トゥイスト』『オリヴァ・トウィスト
 『オリバー・ツイスト』『オリヴァー・ツウィスト
 『オリバーの冒険』など
 ⇒1837年2月から39年3月まで月刊分冊〔25-27歳〕

Nicholas Nickleby
◇『ニコラス・ニクルビー
 ⇒1838年4月から39年10月まで月刊分冊〔26-27歳〕

The Old Curiosity Shop
◇『骨董屋
 ⇒1840年4月から1841年2月まで月刊分冊〔28-29歳〕

Barnaby Rudge
◇『バーナビー・ラッジ』『バーナビ・ラッジ
 ⇒1841年2月から同年11月まで月刊分冊〔29歳〕

American Notes
◇『アメリカ紀行』『アメリカ見聞記
 ⇒1842年10月刊行〔30歳〕

Martin Chuzzlewit
◇『マーティン・チャズルウィット
 ⇒1843年1月から44年7月まで月刊分冊〔31-32歳〕

A Chiristmas Carol
◇『クリスマス・キャロル
 ⇒1843年12月刊行〔31歳〕

Pictures from Italy
◇『イタリアのおもかげ
 ⇒1846年5月刊行〔34歳〕

Dombey and Son
◇『ドンビー父子
 ⇒1846年10月から48年4月まで月刊分冊〔34-36歳〕

David Copperfield
◇『デイヴィッド・コパフィールド
 ⇒1849年4月から50年10月まで月刊分冊〔37-38歳〕

Bleak House
◇『荒涼館
 ⇒1852年3月から53年9月まで月刊分冊〔40-41歳〕

Hard Times
◇『ハード・タイムズ
 ⇒1854年4月から同年8月まで週刊分冊〔42歳〕

Little Dorrit
◇『リトル・ドリット
 ⇒1855年12月から57年6月まで月刊分冊〔43-45歳〕

A Tale of Two Cities
◇『二都物語
 ⇒1859年4月から同年11月まで週刊分冊〔47歳〕

Great Expectations
◇『大いなる遺産
 ⇒1960年12月から61年8月まで週刊分冊〔48-49歳〕

Our Mutual Friend
◇『我らが共通の友』『互いの友
 ⇒1864年5月から65年11月まで月刊分冊〔52-53歳〕

The Mystery of Edwin Drood
◇『エドウィン・ドゥルードの謎』『エドウィン・ドルードの謎
 ⇒1870年4月から月刊分冊〔未完58歳没〕


※書誌の詳しい情報は、主に松村昌家編『ディケンズ小事典』(研究社出版、1994年1月)によりました。初心者向けとしては、一番手ごろな1冊です。日本語で書かれた伝記は、偶然手に入れた三ツ星堅三著『チャールズ・ディケンズ ―生涯と作品』(創元社、1995年10月)が優れていました。専門書ですが、研究者らしからぬ読ませる文章で感心しました。上記の著作については邦訳も一通り調べましたが、かなり大部になったので別のブログでアップする予定です。


※第144冊目。総計1,273,609語。