2015年5月15日金曜日

【読了】ミッチェル作(津雲むつみ画)『風と共に去りぬ』(集英社文庫)

アメリカ合衆国の小説家
マーガレット・ミッチェル(1900.11-1949.8)氏の
小説『風と共に去りぬ』を、

日本の漫画家
津雲むつみ(つくもむつみ 1952.2- )氏による漫画で読みました。

原作は
著者26-33歳の時(1926-33)に執筆され、
35歳の時(1936.6)に出版されました。

よく知られている映画版は
著者39歳の時(1939.12)に公開されています。


マーガレット・ミッチェル作
津雲むつみ画
『風と共に去りぬ 1-4』
(集英社文庫コミック版、2002年3月〔1・2〕5月〔3・4〕)

 ※第1部は『週刊セブンティーン』1977年27・28-47号、
  第2部は『週刊セブンティーン』1978年1-20号、
  第3部は『週刊セブンティーン』1978年33-52号、
  第4部は『週刊セブンティーン』1979年11-32号、
  完結編は『週刊セブンティーン』1979年49-52号に掲載された。

漫画版は
漫画家25-27歳の時(1977-79)に出版されていますが、
最近までまったく知りませんでした。


『風と共に去りぬ』との出会いは20代後半のころ、
ほとんど知識のないまま映画版(DVD)で観たのが初めてでした。

4時間あまりの大作ですが、
何もわからないまま観ても惹きつけられる不思議な魅力があって、

時折見直していきたい自分にとって大切な作品となっています。


その後古本屋で、
大久保康雄・竹内道之助共訳の
新潮文庫版を5冊500円で手に入れて、
いずれ読もうと積んであったのですが、

最近、新訳が2つも出たので、
どれが良いのかなと悩んでおりました。

そうした時にふと、
津雲むつみ氏による漫画版が出ていたことを知り、
手に入れてみたところ、

大和和紀氏の『あさきゆめみし』
(源氏物語の漫画版)を思い起こさせる完成度で、

先へ先へと読み進ませる画力があって、
一気に最後まで読み通していました。

基本的にストーリーの省略はなく、
映画よりもかなり詳しいところまで描き出されているので、
これで初めて『風と共に去りぬ』の全体像を知ることができました。


ストーリーが飲み込めてくると、
よくぞここまでと思われるほど書き込まれた
大変な力作であることが実感できました。

恋愛小説ですが、
大人の醜い側面、現実のつらく苦しい側面も
しっかりと描き出されていて、

それでも全体として強く凛とした
前向きの精神に貫かれているところに感銘を受けました。

すべてを失ってなお、
人の心の拠り所になるものがある、

それは先祖の残してくれた土地なのだとする結論は、
もう少し若かったならそんな馬鹿なと否定していたはずですが、

40代に入った今では、
ああそういうことなのかと少しわかってきたように思います。


大作ですが、いずれ原文のままで、
日本語の小説を読むように読み進められたら面白いだろうなと思いました。

でもまずは翻訳です。

3つの翻訳を比べて、
読みやすいものを選んで読了したいと思っています。


※Wikipediaの「マーガレット・ミッチェル」「風と共に去りぬ」「風と共に去りぬ(映画)」を参照。

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