2015年1月13日火曜日

【読了】ブラム・ストーカー著(田内志文訳)『吸血鬼ドラキュラ』〔角川文庫〕

イギリス併合時代(1802-1922)の
アイルランド王国ダブリン生まれの小説家
ブラム・ストーカー(Bram Stoker 1847.11-1912.4)の

小説『吸血鬼ドラキュラ Draculaを読みました。
著者49歳の時(1897.5)に出版された作品です。


ブラム・ストーカー著
田内志文(たうちしもん)訳
『吸血鬼ドラキュラ』
(角川文庫、平成26年5月)

ホラー物にはあまり興味がないのですが、
一番有名なものくらいはと思って、

昨年(2014)8月に、
やさしい英語で『ドラキュラ』を読み終えました。

同時に翻訳のほうもと思いましたが、

定評ある平井呈一(ひらいていいち)氏の翻訳は、
半世紀以上をへてさすがに古めかしく感じたので、

春先に出た田内志文(たうちしもん)氏による新訳を読み進めていました。



平井呈一訳
『吸血鬼ドラキュラ』
(創元推理文庫、完訳初版、昭和46年4月)※初出は『魔人ドラキュラ』(創元社 世界大ロマン全集3、昭和31年10月)。完訳ではない。こちらの版も創元社文庫、昭和38年、12月に収録。


田内氏の訳文はとてもわかりやすく、
現代の日本語の小説を読むのと同じ感覚で
読み進めることができました。

それでも650頁をこえていたので、
なかなか先に進みませんでしたが、

正月に集中して読み進め、
このたび読了となりました。


予想よりもずっとよく練り込まれた
本格的な娯楽小説で、

ただ恐いだけでなく、
歴史あり、冒険あり、恋愛ありの
先へ先へと読ませる力の強い小説でした。

数人の主人公が、
手紙や日記を書く連ねていくかたちで
物語が展開していくのですが、

冗長な感じがなく巧みに構成されていて、

吸血鬼への興味はあまりない、
私が読んでも十分に楽しむことができました。


調べてみると、
13年程前にもより詳細な完訳版が出ていることがわかりました。


ブラム・ストーカー著
新妻昭彦・多治愛 訳
『ドラキュラ』
(水声社、平成12年4月)

田内訳で何も不満はありませんが、

完訳詳注版とのこと、
近々手に入れてみたいと思います。



※Wikipediaの「ブラム・ストーカー」「ドラキュラ」を参照。

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