2014年3月19日水曜日

【読了】塩野七生著『ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち [三]』


塩野七生著
『ローマ人の物語19 悪名高き皇帝たち[三]』
(新潮文庫、平成17年9月)
 ※初出の単行本は第Ⅶ巻、新潮社、平成10年9月。

  第3部 皇帝クラウディウス
  (在位、紀元41年1月24日~54年10月13日)


文庫本第19巻は、
第3代皇帝カリグラ(AD12-41 在位AD37-41)
が若くして暗殺されたあとを引き継いだ、

第4代皇帝クラウディウス(BC10-AD54 在位AD41-54)
が妻アグリッピーナの野望のもと、
毒キノコ中毒で亡くなるまでを描いています。


もともと皇帝になるはずではなく、
歴史の研究と著作に生きるはずだった一歴史家が、
50を過ぎてから皇帝となったらどうなるのか。

それなりに興味深くはありますが、

人気取りには走らず、常識的な知見をもって、
幅の広い視野からそつのない政治を行う一方で、

妻をうまく制御する能力には欠けていたようです。


安定感はあるけど人気のない皇帝は、
読んでいて面白みに欠ける側面があるのですが、

やはりそうした皇帝がいないと、
ローマ帝国も早晩かたむくことになっていたはずです。

今回も、
不思議と惹き込まれる塩野氏の叙述に、
興味深く読み終えることができました。


次はローマ史について何も知らなかった私にも、
名前のみどこかで聞いていたネロ皇帝です。

果たしてどんな皇帝だったのでしょうか。


※Wikipediaの「クラウディウス」を参照。

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