2014年1月24日金曜日

【読了】トウェーン著(斉藤健一訳)『ハックルベリー=フィンの冒険(上・下)』

アメリカ合衆国の作家
マーク・トウェイン(Mark Twain 1835.11-1910.4)の
小説『ハックルベリー・フィンの冒険』を読みました。

49歳の時(1884.12)に刊行された作品です〔イギリス版〕。

40歳の時(1876.6)に
『トム・ソーヤの冒険』が刊行されてから〔イギリス版〕、
9年後のことでした。





マーク=トウェーン著
斉藤健一(さいとうけんいち)訳
『ハックルベリー=フィンの冒険(上・下)』
(講談社青い鳥文庫、平成8年9月)


昨年5月に


トウェイン著
土屋京子(つちやきょうこ)訳
『トム・ソーヤの冒険』
(光文社古典新訳文庫、平成24年6月)

を読み終えて、

次は「ハックルベリー・フィン」をと思い、
いくつか翻訳に手を出した中で、

最近手に入れた
斉藤健一(さいとうけんいち)氏の翻訳はよくこなれていて、

読み始めたら止まらなくなり、
上下巻とも一気に終わりまで読み終えていました。

今回の斉藤健一訳に出会うまでは、

『ハックルベリー・フィンの冒険』が、
『トム・ソーヤの冒険』より優れているとは思えなかったのですが、

十分にこなれた翻訳で読んでみると、
雄大なミシシッピ川の自然描写、よくこなれた黒人問題の扱い方など、
より深い内容の傑作であることがわかりました。


本当はこの前に、
大久保博(おおくぼひろし)氏のていねいな翻訳を気に入り、
活字の大きな単行本を手に入れ読み進めていたのですが、


大久保博 訳
『ハックルベリ・フィンの冒険』
(角川文庫 トウェイン完訳コレクション、平成16年8月)
 ※単行本、角川書店、平成11年9月。

先へ先へと読み進める力に多少欠けるところがあるのか、

正確な訳文のはずなのですが、
それほど魅力を感じることもなく、
途中で投げ出してしまいました。

そのほか手元には、

村岡花子 訳
『ハックルベリィ・フィンの冒険』
(新潮文庫、昭和34年3月)

西田実 訳
『ハックルベリー・フィンの冒険(上・下)』
(岩波文庫、昭和52年8・12月)

吉田甲子太郎 訳
『ハックルベリー=フィンの冒険(上・下)』
(偕成社文庫、昭和51年11月)

小島信夫 編訳
『ハックルベリィ・フィンの冒険』
(河出書房新社 世界文学の玉手箱、平成5年1月)

山本長一 訳
『ハックルベリィ・フィンの冒険』
(彩流社 マーク・トウェインコレクション7、平成8年4月)

がありますが、
斉藤健一訳(講談社青い鳥文庫)は、
このどれよりも読みやすくわかりやすい翻訳でした。


このほか、まだ拝見していないものとして、

渡辺利雄 訳
「ハックルベリー・フィンの冒険」
(『世界文学全集54』集英社、昭和55年9月)

大塚勇三 訳
『ハックルベリー・フィンの冒険(上・下)』
(福音館書店、平成9年10月)

加島祥造 訳
『完訳 ハックルベリ・フィンの冒険』
(ちくま文庫 マーク・トウェイン・コレクション1、平成13年7月)
 ※単行本、架空社、平成7年5月。

立松和平 編訳
『ハックルベリィ・フィンの冒険』
(講談社 痛快世界の冒険文学17、平成11年2月)

などがあります。

大塚勇三訳(福音館書店)、加島祥造訳(ちくま文庫)はわりと最近の訳なので、近々目を通したいと思っております。


※「トウェイン年譜」(土屋京子訳『トム・ソーヤの冒険』光文社古典新訳文庫、平成24年6月)参照。
※Wikipediaの「マーク・トウェイン」「ハックルベリー・フィンの冒険」を参照。

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