2014年1月30日木曜日

【読了】Anna Sewell, Black Beauty (PR Level2)

やさしい英語の本、通算63冊目、
Penguin Readers の Level2 の17冊目は、

イギリスの作家
アンナ・シュウエル(1820.3-1878.4)の
小説『黒馬物語』を読みました。

亡くなる半年ほど前、
57歳の時(1877.12)に出版された、
シュウエルの生涯唯一の作品です。


Anna Sewell
Black Beauty

Retold by John Davage
(Penguin Readers Level2)
First published by Penguin Books 2000
This edition published 2008
9,390語


『黒馬物語』については
これまでまったく知らなかったのですが、
ペンギン・リーダーズのホームページで見かけ、
興味をもって購入してみました。

一頭の黒馬がイギリスで生まれ育ち、
人のために働いて、年老いていくまでの様子を、
黒馬自身が語っていく小説です。

今では、
馬に乗る機会はほとんどありませんが、

自動車がなかった時代、

馬が自動車の代わりを果たし、
馬と人との距離がずっと近かった時代のイギリスの生活が描かれており、

著者の馬への深い愛情に貫かれた記述が、
心を打ちました。


翻訳は、

黒馬物語 (岩波少年文庫 (2011))

シュウエル著
土井すぎの訳
『黒馬物語』
(岩波少年文庫、昭和28年8月。昭和62年5月改版)

を手に入れ、読んでいるところです。
言葉が多少ていねい過ぎるようにも感じましたが、


シュウエル著
白石佑光 訳
『黒馬物語』
(新潮文庫、昭和35年)

シュウエル著
藤原英司訳
「黒馬物語」
『世界動物文学全集7』
(講談社、昭和54年5月)

と手に入れた中では、

美しい日本語で統一されていて、
土井訳がいちばん好感を持てました。


※通算63冊目。計499,341語。

※Wikipediaの「アンナ・シュウエル」「黒馬物語」を参照。

【読了】谷崎潤一郎著『細雪(中)』〔新潮文庫〕

谷崎潤一郎
(明治19年〔1886〕7月-昭和40年〔1965〕7月)の
小説『細雪(ささめゆき)』の中巻を読みました。

57歳の秋(昭和17年〔1942〕10月頃)から、
62歳の春(昭和23年〔1948〕5月)にかけて執筆された小説です。


谷崎潤一郎著
『細雪(中)』
(新潮文庫、昭和30年10月)
 ※平成23年3月改版。

先月読み終わった『細雪』上巻に続いて、
ひと月ほどで順調に中巻を読み終わりました。

上巻では物静かな流れの中で、
独特の風情を醸し出していたのに対して、

中巻ではそれなりに物語が動き出し、
予想外の場面展開が待っておりました。

それでもストーリーだけを考えれば、
特別起伏に富む刺激的な内容でもないのに、

不思議と先へ先へと読ませる力のある、
谷崎潤一郎の流麗な文体の魅力に嵌まりながら、
1冊読み終えておりました。

大感動というのとは少し違うのですが、
父母の世代の日本の様子に懐かしさを覚える
私がいました。

さて下巻はどんな展開が待っているのでしょうか。

2014年1月27日月曜日

【読了】ノウルズ作(金原瑞人編訳)『アーサー王物語』(偕成社文庫)

ブリテンの伝説的な君主
「アーサー王」について興味が出て来ましたので、
とりあえず、手ごろな分量の1冊を読んでみました。


ジェイムズ・ノウルズ作
金原瑞人編訳
『アーサー王物語』
(偕成社文庫、平成12年7月)


手に汗にぎるおもしろさか、と言うと、

日本の『平家物語』を読むように、
知らない名前がどんどん出て来るため、

これは誰だっけ?と思って行きつ戻りつしながら、
何となくわかった気になって読み終えた感じです。

金原訳の評価は、
もう少し他の訳を読んでからでないと何とも言えませんが、

それなりに楽しみつつ
1冊で「アーサー王物語」の概要を知ることができました。


手元にはもう一冊、


トマス・ブルフィンチ編/大久保博訳
『新訳 アーサー王物語』(角川文庫、平成5年1月)

 ※ブルフィンチ編/大久保博訳
  『完訳 中世騎士物語 ―騎士道の時代』(角川文庫、昭和49年)
  から、アーサー王伝説のところを抄出したもの。

を置いてあります。

これは読み物というよりも
「アーサー王物語」のわかりやすい解説書といった感じなので、
ふつうに読み通してもそれほど面白くはないのですが、

説明はわかりやすので、
ゆっくりじっくり読み通せば、
「アーサー王物語」の概要が頭に入りそうです。


まだ未購入ですが、
少年向けの編訳としては、

R.L.グリーン編
厨川文夫訳
『アーサー王物語』(岩波少年文庫、昭和32年12月)

シドニー・ラニア編
石井正之助訳
『アーサー王と円卓の騎士』
(福音館書店 福音館古典童話シリーズ、昭和47年2月)

があるので近々手に入れる予定です。

あと一冊、
とにかく手っ取り早く、
楽しみながら概要を知りたい場合は、


小林弘幸著
『おもしろすぎるアーサー王伝説』
(文芸社、平成24年2月)

も概説としてよく練られ、
わかりやすく書かれていると思いました。

【読了】King Arthur and the Knights of the Round Table (PR Level2)

やさしい英語の本、通算62冊目、
Penguin Readers の Level2の16冊目は、

15世紀後半に、イングランド人
トマス・マロリー(Thomas Malory 1399-1471.3)
が集成した『アーサー王の死』にもとづく

騎士道物語『アーサー王と円卓の騎士』を読みました。


King Arthur and the Knights of the Round Table

Retold by Deborah Tempest
(Penguin Readers Level2)
First published by Penguin Books 2000
This edition published 2008
10,369語


「アーサー王物語」について
これまで読んだことがなかったので、
少し調べてみました。


ブリテンの伝説的な君主
「アーサー王」についての物語は、
中世ヨーロッパで流行した騎士道物語の一つであり、

15世紀後半に、イングランド人
トマス・マロリー(Thomas Malory 1399-1471.3)
の編著『アーサー王の死』によって集大成されたそうです。

同書には、

イングランド人
ウィリアム・キャクストン
(William Caxton -1492.3)
が出版した印刷本〔キャクストン版〕のほか、

1934年にウィンチェスター・カレッジで発見された
15世紀の写本〔ウィンチェスター写本〕が残されており、

キャクストン版の全訳が、

 トマス・マロリー(Thomas Malory)編
 井村君江 訳
 『アーサー王物語〈1-5〉』
 (筑摩書房、平成16年11月-19年3月)

ウィンチェスター写本の全訳が、

 トマス・マロリー(Thomas Malory)編
 中島邦夫・小川睦子・遠藤幸子 訳
 『完訳 アーサー王物語〈上・下〉』
 (青山社、平成7年)

としてそれぞれ出版されています。

これらはかなり大部なもので初心者には難しそうです。


とりあえず、
初心者向けの1冊をと思い手に取ったのは、


ジェイムズ・ノウルズ作
金原瑞人(かねはらみずと)訳
『アーサー王物語』(偕成社文庫、平成12年7月)

でした。

もうすぐこちらも読み終わるのでまた報告しますが、
大まかにどのような物語か知りたい時にはオススメです。

ただし英語版のほうが、
手早くポイントを押さえてまとめてあり、
どのような物語なのかはわかった気になりました。

「アーサー王物語」については、
入門書の類もたくさん出ているので、
ほかにも色々読んでみようと思います。



※通算62冊目。計489,951語!!

 ようやく50万語に到達しました。
 仕事をしながら、翻訳も同時に読み比べながら、
 月に1、2冊ずつのペースなので、
 2年4ヶ月ほどかかりました。

 これから少しペースを上げるとして、
 だいたい4年で100万語をこえられるように、
 継続は力なりでがんばります。

※Wikipediaの「アーサー王物語」「アーサー王」「トマス・マロリー」「ウィリアム・キャクストン」を参照。

2014年1月24日金曜日

【読了】トウェーン著(斉藤健一訳)『ハックルベリー=フィンの冒険(上・下)』

アメリカ合衆国の作家
マーク・トウェイン(Mark Twain 1835.11-1910.4)の
小説『ハックルベリー・フィンの冒険』を読みました。

49歳の時(1884.12)に刊行された作品です〔イギリス版〕。

40歳の時(1876.6)に
『トム・ソーヤの冒険』が刊行されてから〔イギリス版〕、
9年後のことでした。





マーク=トウェーン著
斉藤健一(さいとうけんいち)訳
『ハックルベリー=フィンの冒険(上・下)』
(講談社青い鳥文庫、平成8年9月)


昨年5月に


トウェイン著
土屋京子(つちやきょうこ)訳
『トム・ソーヤの冒険』
(光文社古典新訳文庫、平成24年6月)

を読み終えて、

次は「ハックルベリー・フィン」をと思い、
いくつか翻訳に手を出した中で、

最近手に入れた
斉藤健一(さいとうけんいち)氏の翻訳はよくこなれていて、

読み始めたら止まらなくなり、
上下巻とも一気に終わりまで読み終えていました。

今回の斉藤健一訳に出会うまでは、

『ハックルベリー・フィンの冒険』が、
『トム・ソーヤの冒険』より優れているとは思えなかったのですが、

十分にこなれた翻訳で読んでみると、
雄大なミシシッピ川の自然描写、よくこなれた黒人問題の扱い方など、
より深い内容の傑作であることがわかりました。


本当はこの前に、
大久保博(おおくぼひろし)氏のていねいな翻訳を気に入り、
活字の大きな単行本を手に入れ読み進めていたのですが、


大久保博 訳
『ハックルベリ・フィンの冒険』
(角川文庫 トウェイン完訳コレクション、平成16年8月)
 ※単行本、角川書店、平成11年9月。

先へ先へと読み進める力に多少欠けるところがあるのか、

正確な訳文のはずなのですが、
それほど魅力を感じることもなく、
途中で投げ出してしまいました。

そのほか手元には、

村岡花子 訳
『ハックルベリィ・フィンの冒険』
(新潮文庫、昭和34年3月)

西田実 訳
『ハックルベリー・フィンの冒険(上・下)』
(岩波文庫、昭和52年8・12月)

吉田甲子太郎 訳
『ハックルベリー=フィンの冒険(上・下)』
(偕成社文庫、昭和51年11月)

小島信夫 編訳
『ハックルベリィ・フィンの冒険』
(河出書房新社 世界文学の玉手箱、平成5年1月)

山本長一 訳
『ハックルベリィ・フィンの冒険』
(彩流社 マーク・トウェインコレクション7、平成8年4月)

がありますが、
斉藤健一訳(講談社青い鳥文庫)は、
このどれよりも読みやすくわかりやすい翻訳でした。


このほか、まだ拝見していないものとして、

渡辺利雄 訳
「ハックルベリー・フィンの冒険」
(『世界文学全集54』集英社、昭和55年9月)

大塚勇三 訳
『ハックルベリー・フィンの冒険(上・下)』
(福音館書店、平成9年10月)

加島祥造 訳
『完訳 ハックルベリ・フィンの冒険』
(ちくま文庫 マーク・トウェイン・コレクション1、平成13年7月)
 ※単行本、架空社、平成7年5月。

立松和平 編訳
『ハックルベリィ・フィンの冒険』
(講談社 痛快世界の冒険文学17、平成11年2月)

などがあります。

大塚勇三訳(福音館書店)、加島祥造訳(ちくま文庫)はわりと最近の訳なので、近々目を通したいと思っております。


※「トウェイン年譜」(土屋京子訳『トム・ソーヤの冒険』光文社古典新訳文庫、平成24年6月)参照。
※Wikipediaの「マーク・トウェイン」「ハックルベリー・フィンの冒険」を参照。

2014年1月22日水曜日

【読了】夏目漱石著『坊つちやん』(明治39年4月)

夏目漱石(慶応3〔1867〕-大正5〔1916〕)の9作目、
小説『坊つちやん』を読みました。


漱石全集〈第2巻〉短篇小説集 (1966年)

夏目漱石「坊つちやん ― 明治三九、四、一 ―」
(『漱石全集 第二巻 短篇小説集』岩波書店、昭和41年1月)

「坊つちやん」は、
雑誌『ホトトギス』明治39年〔1906〕4月号別冊付録に発表され、

『鶉籠(うずらかご)』
(春陽堂、明治40年1月刊)に収録されました。

『鶉籠』には
「坊つちやん」「二百十日」「草枕」
の三作品が収録されました。

漱石39歳の時の作品です。


  ***

中高生のころに読んでいたはずなのですが、
改めて読んでみると、後半はまったく記憶になく、
ほぼ初めて読むような感じになりました。

これは確かに、
今読んでもふつうに楽しめる作品で、
青年「坊つちやん」像の魅力的な生き様に心動かされつつ、
飽きが来る間もなく、全編読み通すことができました。

ユーモアでほどほどに誇張されたお話なので、
漱石の手による落語を聴いているような感じがしました。

これまでいくつか読んできた中では、
一番よくまとまっていて、今後も繰り返し読んでみたいと思いました。


※Wikipediaの「坊つちやん」を参照。