2013年9月2日月曜日

【読了】夏目漱石 『薤露行』(明治38年11月)

夏目漱石(慶応3〔1867〕-大正5〔1916〕)の7作目は、
短編小説『薤露行(かいろこう)』を読みました。

漱石全集〈第2巻〉短篇小説集 (1966年)

夏目漱石「薤露行 ―明治三八、一一、一 ―」
(『漱石全集 第二巻 短篇小説集』岩波書店、昭和41年1月)

『薤露行(かいろこう)』は、
雑誌『中央公論』明治38年〔1905〕11月号に発表され、

漱石初の短編集『漾虚集(ようきょしゅう)』
(大倉書店・服部書店、明治39年5月刊)に収録されました。

『吾輩は猫である』と
ほぼ同時期、30代後半に書かれた作品です。


  ***

続けてもう1編。
これはアーサー王伝説を主題とした作品です。

ただし、
この時期の翻訳物の難解さを反映しているようで、
独特の美文調の言い回しがかえってまわりくどく、

今の私の国語力では追いつかない部分も少なくなく、
あまり楽しむことはできませんでした。

部分部分を切り取って朗読してみると、
それなりに心地よい感じはするのですが、

今敢えて、これだけ読みにくい文章で、
アーサー王伝説を読む必要があるのか疑問が残りました。


これもやはり、漱石初期の、
時代を反映した習作の一つのように感じました。

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