2013年6月19日水曜日

【読了】ユゴー著 『レ・ミゼラブル(四)』(佐藤朔訳)

フランスの作家
ヴィクトル・ユゴー(1802.2-1885.5)が
43歳から60歳(1845-1862)にかけて、
17年間を費やして執筆した大作

『レ・ミゼラブル』
第四部「プリュメ通りの牧歌とサン・ドニ通りの叙事詩」
を読み終えました。


ヴィクトル・ユゴー著/佐藤朔訳
『レ・ミゼラブル(四)』
(新潮文庫、改版、平成24年11月。昭和42年8月)

 ※第四部 プリュメ通りの牧歌とサン・ドニ通りの叙事詩
  第一章 歴史の数ページ
  第二章 エポニーヌ
  第三章 プリュメ通りの家
  第四章 下からの救いは上からの救いになりうる
  第五章 結末が初めと違っていること
  第六章 プチ・ガヴローシュ
  第七章 隠語
  第八章 喜びと悲しみ
  第九章 彼らはどこへ行く?
  第十章 一八三二年六月五日
  第十一章 原子が大風に協力する
  第十二章 コラント
  第十三章 マリユス闇に入る
  第十四章 絶望の偉大さ
  第十五章 ロマルメ通り

第4冊目は、
第3冊目の路線を、
政治的な方面へ一歩広げた感じがありました。

個人的な感想として、
ユゴーの政治的な見解を展開する文章は、

学園紛争時代の
「文化大革命」等の革命を賛美する
熱に浮かされた方々の文章を読むようで、

面映くて読むに堪えない側面がありました。


ところがいったん
政治的な文章を離れ、

登場人物の感情を表現する文章になると、
とたんに場面が活き活きとしてきて、

ユゴーの凄い才能を感じることもできました。

そのコントラストで、
大いに違和感の残る1冊となりました。


政治家でもあったユゴーにとって、
自分に正直な一冊とも言えるのでしょうが、

現在では、
政治的な主張の部分をカットした
抄訳版が一般的になっているのもわかる気がしました。


さて第5部は、
第1部の感動をもう一度味わえればいいのですが、
どうでしょうか。


※Wikipediaの「ヴィクトル・ユーゴー」
「レ・ミゼラブル」を参照。

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