2013年3月31日日曜日

【読了】Conan Doyle, Sherlock Homes and the Sport of Kings (OBW1)

やさしい英語の本、通算42冊目、
Oxford Bookworms Stage1の7冊目、

スコットランド生まれの小説家
アーサー・コナン・ドイル(1859.5-1930.7)

第2短編集『シャーロック・ホームズの思い出』
所収の「白銀号事件 Silver Blazeを読みました。

33歳のとき(1892.12)に『ストランド』誌上に発表された作品です。



Sir Arthur Conan Doyle
Sherlock Homes and the Sport of Kings

Retold by Jennifer Bassett
(Oxford Bookworms Stage1)
2003年刊(5,925語)

「白銀号事件」は昨年5月に、
Macmillan Readers の Elementary level に収められている

 Sir Artur Conan Doyle 著
 Silver Blaze and Other Stories

で読了していました。

Macmillan の方は3作品を収録していたので、
今回の Oxford の方が内容は詳しいですが、英文は読みやすく感じました。

前に読んだのから一年近くたって、改めて楽しむことができました。


邦訳は、
活字が大きく読みやすくなった
延原謙氏の新潮文庫本で、と購入したものの、まだ読んでいません。

難しいわけではありませんが、
大人向けの日本語で、忙しい仕事の合間に読むにはちょっと手間がかかる感じでした。



コナン・ドイル著/延原謙訳
『シャーロック・ホームズの思い出』
(新潮文庫、改版、平成22年7月。初版は昭和28年3月)

多少やさしく書き直したものはないか探してみると、

講談社青い鳥文庫に収められている
日暮まさみち氏の編訳は、


話しの内容に大きな改変はなく、
誰にでも読みやすい日本語に書きなおされているので、
一番わかりやすく、手軽に作品を楽しむことができました。



コナン・ドイル著/日暮まさみち訳
『名探偵ホームズ 赤毛組合』
(講談社青い鳥文庫、平成22年11月)

すべての作品を
文庫本14冊に自由に再編してあります。

日暮氏には、原典により忠実に、
大人向けの全集も出されていることを知りました。


コナン・ドイル著/日暮雅通 訳
『シャーロック・ホームズの回想』
(光文社文庫、平成18年4月)

こちらはまだ手に入れていないので、近々購入したいと思います。


※42冊目。計338,684語

※Wikipediaの
「アーサー・コナン・ドイル」
「シャーロック・ホームズシリーズ」の各項目を参照。


2013年3月25日月曜日

【読了】吉川英治 著 『宮本武蔵(二)』(新潮文庫)


国民作家・吉川英治
(明治25年〔1893〕8月-昭和37年〔1962〕9月)が、
42歳のときから4年かけて執筆した小説

『宮本武蔵』第2巻(新潮文庫)を読み終えました。




吉川英治 著『宮本武蔵(二)』
(新潮文庫、平成25年2月)

 ※全編の初出は
  『朝日新聞』昭和10年(1935)8月23日から
   昭和14年(1939)7月11日まで。


このあたりまでは、
前に途中で挫折したときにも読んでいたので、

ああそうだったと思い出しながら、
楽しんで読み終えることができました。

前回よりも、
吉川氏の文章の上手さが
染み入ってくるのも1冊目と同じでした。

ものすごく自然に、
とんでもなく上手い文章を書いていて、
これは真似できないな、としきりに感心しました。


今のところ、
剣術家、兵法家としての「宮本武蔵」に、
それほど興味があるわけではないのですが、

国民作家・吉川英治が描いた
「宮本武蔵」像には大いに興味があります。


月に1冊のペースで刊行されるようなので、
合わせてぜひ読了したいと思っております。

もうすぐ第3巻が出ることでしょうか。



※Wikipedia の「吉川英治」「宮本武蔵(小説)」「宮本武蔵」の各項目を参照。

2013年3月21日木曜日

【読了】江戸川乱歩 著 『少年探偵 妖怪博士』(昭和13年)

日本の推理作家
江戸川乱歩(明治27年〔1894〕10月-昭和40年〔1965〕7月)の

少年探偵シリーズ・第3作目
『妖怪博士』を読みました。

乱歩が44歳のとき、
『少年倶楽部』(昭和13年〔1938〕1~12月)に発表された作品です。



江戸川乱歩 著
『少年探偵 妖怪博士』
(ポプラ文庫〈江戸川乱歩・少年探偵シリーズ3〉平成20年11月)

 ※ポプラ社における単行本の初出は、
  ポプラ社〈少年探偵 江戸川乱歩全集2〉昭和39年7月。

  再録、ポプラ社文庫、昭和51年11月。
  再録、ポプラ社〈新少年探偵・江戸川乱歩3〉平成10年10月。
  再録、ポプラ社〈文庫版 少年探偵・江戸川乱歩3〉平成17年2月。

  (ポプラ社のホームページを参照しました。)


さて第3作目です。

やはり話の展開が、
多少強引かなと思わせるところはありましたが、
私の中ではぎりぎりOKなレベルで、
ふつうに楽しむことができました。


一番感心するのは、
少年向きの作品とはいえ、

75年前に書かれたとは思えないほど、
わかりやすく丁寧な、美しい日本語で書かれていることです。

推理小説も、
あんまり難しいと読むのに骨が折れますが、

子ども向けに書かれただけあって、
仕事の忙しい時期でも、なんなく読み終えることができました。


昭和10年代というと、
かなり昔のことのように感じられますが、

乱歩の文章を読むと、
それほど違いがあるようには感じられません。

確かに今とはいろいろ違う面もありますが、
古き良き昭和の面影を楽しむことができました。


2013年3月11日月曜日

【読了】Gaston Leroux, The Phantom of the Ppera (OBW1)

やさしい英語の本、通算41冊目、
Oxford Bookworms Stage1の6冊目、

フランスの作家
ガストン・ルルー(1868.5-1927.4)の
小説『オペラ座の怪人』を読みました。

41歳(1909)のときに発表された作品です。


Gaston Leroux
The Phantom of the Opera

Retold by Jennifer Bassett
(Oxford Bookworms Stage1)
2008年刊(6,230語)

本冊は、
原作をかなり大胆に書き換えているからか、

編者ジェニファー・バセットの名のみあげ、

原作者ガストン・ルルーの名は、
巻末でバセットの略歴を記す中にみえるだけでした。


確かに、
一昨年の11月にやさしい英語で読んだ、
Macmillan Readers の Beginner Lever
の版とも部分的に違っていましたが、

Oxford Bookworms のほうが、
筋を追いやすくわかりやすかったです。


原著の翻訳は、



 長島良三 訳(角川文庫、平成12年2月)
 日影丈吉 訳(ハヤカワ・ミステリ文庫、平成元年5月)
 三輪秀彦 訳(創元推理文庫、昭和62年1月)

の3種があり、
このうち長島氏のを持っていますが、
わりと重厚な感じがして、まだ読んでいません。


やさしく書きなおした版として、

 村松定史 訳
 (集英社みらい文庫、平成23年12月
  初出は集英社〔子どものための世界文学の森〕平成8年7月)

 マクラン 文/岡部史 訳
 (金の星社〔フォア文庫〕平成17年3月)

がありますが、大人が読むには簡単すぎるようです。


むしろ映画を観ようかな、
と思って Wikipedia で調べてみると、

1916年に初めて映画化されて以来、

テレビCMなどで記憶に残る
2004年版まで、すでに9回も映画化されているそうです。

どれでも良いので、
近々DVDを探して観てみようと思います。



※41冊目。計332,759語

※Wikipediaの「ガストン・ルルー」「オペラ座の怪人」を参照。


2013年3月4日月曜日

【読了】塩野七生 著 『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ[中]』

塩野七生氏(昭和12年〔1937〕7月7日-)が

60歳のとき(1997)に出版した
『ローマ人の物語』パクス・ロマーナの中巻を読み終えました。


塩野七生著
『ローマ人の物語15 パクス・ロマーナ[中]』
(新潮文庫、平成16年12月。初出は新潮社、平成9年7月)

※第二部 統治中期(紀元前18年-前6年)
     アウグストゥス、45歳-57歳


ローマ帝国の初代皇帝
アウグストゥス(BC63-AC14 在位BC27-AC14)の評伝2冊目です。

カエサルと同じレベルの洞察力をもちながらも、

カエサルのように、
戦争に強かったわけではなく、

弁論の才に恵まれていたわけでもなかった人物が、
どのようにして彼の跡を継いだのか。


俗人たる私は、
カエサルのような英雄に惹かれるところがありますが、

そういう立場に生まれ合わせることは至極稀なことなので、

あわてず、さわがず、
時季ではなければ何度も撤回し、
時季が来るのを待ち続け、

カエサルが描いたビジョンを一つずつ実現していった
アウグストゥスの生き方にこそ、

参考にすべきところがある、と強く思いました。


時期が時期だけに、
安倍首相はもしかしたら、政治家として
アウグストゥス的な生き方を目指されているのではないか、と思いつつ、

下巻へと進みましょう。


※Wikipediaの「アウグストゥス」を参照。