2012年11月15日木曜日

【読了】ウィーダ著 『フランダースの犬』(雨沢泰 訳)


ウィーダ作/雨沢泰 訳
『フランダースの犬』(偕成社文庫、平成23年4月)
 ※表題作のほか「ウルビーノの子ども」「黒い絵の具」を収録。

イギリス出身の作家
ウィーダ(1839-1908)の名作
『フランダースの犬』を読みました。

ウィーダ33歳のとき(1872年)に出版された作品です。


同名のアニメが有名ですが、
通してみた記憶がなく、原作も読んだことがなかったので、
よい翻訳があれば読んでみたいと思っておりました。

最近手にとった
雨沢泰さんの翻訳がとても読みやすく、
この作品の魅力を存分に味わうことができました。


子どものころは、
悲しいお涙ちょうだいの物語は苦手で、
遠ざけていたように思いますが、

実際読んでみると、
芸術に対する瑞々しい感性が息づいていて、
芸術(絵画)に対する深い共感をもとに書かれた傑作であることがわかり、
これまでの見方を大きく改めました。


フランダース地方のアントワープ
(現在のベルギー西部の都市)で活躍した
画家ピーテル・パウル・ルーベンス(1577-1640)をめぐる
ネロとパトラッシュの悲しいお話は、

人間にとって芸術(絵画)とは何なのか、
深く考えさせられる作品でした。


子ども向けで、
こうした趣向の作品ってほかに思いつかないのですが、
いかがでしょうか。


2つの併録作品
「ウルビーノの子ども」「黒い絵の具」も、
絵画への深い共感無くして書ける作品ではなく、

たいへん興味深く読み終えることができました。


翻訳は、以下のものが目に入りました。

 村岡花子 訳(新潮文庫、昭和29年4月。〔改版〕平成元年10月)
  ※表題作のほか「ニュールンベルクのストーブ」を収録。

 畠中尚志 訳(岩波少年文庫、昭和32年8月)
  ※表題作のほか「ニュールンベルクのストーブ」を収録。

 矢崎源九郎 訳(角川文庫、昭和36年)

 松村竜雄 訳(講談社青い鳥文庫、平成4年5月。〔新装版〕平成21年10月)

 野坂悦子 訳(岩波少年文庫、平成15年11月)
  ※表題作のほか「ニュールンベルクのストーブ」を収録。

 高橋由美子 訳(ポプラポケット文庫、平成23年11月)

村岡訳・畠中訳・松村訳・野坂訳は手に入れました。

村岡訳・畠中訳は、訳文がやや古めかしく、
野坂訳は、逐語的で若干、流れが悪いように感じがしました。

邦訳で、ウィーダのまとまった著作集は出ていないようです。
いずれぜひ英語でまとめて読んでみたいと思いました。

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