2012年10月23日火曜日

【読了】塩野七生『ローマ人の物語13』


塩野七生 著
『ローマ人の物語13 ユリウス・カエサル ルビコン以後[下]』
(新潮文庫、平成16年10月。初出〔単行本〕は新潮社、平成8年3月)

※第七章 「三月十五日」Idus Martiae
     紀元前四四年三月十五日~前四二年十月

 第八章 アントニウスとクレオパトラ対オクタヴィアヌス
     紀元前四二年~前三〇年

 エピローグ/カエサル年記/参考文献


文庫本で6冊からなるカエサルの評伝、
ほぼ十ヶ月かけてようやく読了しました。

本冊では、
カエサルが亡くなってしばらくの混乱を経て、
オクタヴィアヌスが彼の遺志を継ぐまでの過程が描かれていました。


カエサルが殺されてしまったのだから、
さらにもう1冊、何を書くことがあるのだろう、
と思っていたのですが、

暗殺者たちが
カエサルを殺しはしたけれど、
その後のことを何も考えていなかった事実に愕然とし、

そうした中で、
カエサルがこれ以上ない適任者を、
後継者として選んでいた事実に驚嘆し、

歴史上、奇跡的に成功した
権力継承の過程を、興味深く読み進めることができました。


権力の継承とは、
基本的にうまくいかないものだと思い込んでいたのですが、
突然の死に際してなお、

またとない適任者を自分の後に残し得たのですから、

西洋史を学ぶ者にとって、
カエサルが特別な人物になるのも当然だと思いました。


元は、カエサルといわれても、
名前しか知らない状態で読み始めましたが、

本書を起点として、
自分なりに知見を深めることができました。


一素人の身でも飽きることなく、
楽しんで読み終えることができたのは、
塩野さんの筆力の賜物でしょう。


これでようやく、
シリーズの3分の1を読み終えることができました。
マイペースで、また1冊ずつ読み進めて参ります。

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