2011年12月22日木曜日

【読了】Jane Austen, Northanger Abbey (MMR Beginner)

やさしい英語の本、

MMRのシリーズ12冊目は

イギリスの小説家ジェイン・オースティン
(1775年12月16日生-1817年7月18日没)の
小説『ノーサンガー・アビー』を読みました。



Jane Austen
Northanger Abbey

Retold by Florence Bell
(Macnillan Readers Beginner Lever)

1997年刊(7,337語)


オースティンについては、
『高慢と偏見』や『エマ』の書名のみ知っていましたが、

実際に読んだことがなかったので、
今回読んだ本の著者が、そのオースティンであったとは、
後から気がつきました。

『ノーサンガー・アビー』の書名は初めて知りました。

すぐ手に入る翻訳としては、

中野康司 訳(ちくま文庫、平成21年9月)

がありますが、まだ手に入れていません。


読みやすい英文で、
すらすら読み終えることができました。

内容はイギリスの上流階級の恋のお話し。

オースティン独特のおもしろさは、
リトールド版では伝わりにくいように思いました。

調べてみると、
かなり人気のある小説家のようなので、
いずれ翻訳で読んでみようと思います。


※計12冊 97,771語。

2011年12月20日火曜日

【読了】中川八洋 『民主党大不況』



中川八洋 著
『民主党大不況―ハイパー・インフレと大増税の到来』
(清流出版、平成22年7月)


『地政学の論理』に続いて、
「積ん読」状態だった一書を読み終えました。
もう少し早く、読むべきだったと痛感しました。

この書名は、
本書の内容の一部しか表しておりません。


本書は、

1991年末にソ連邦が崩壊して以来、
日本で着々と進められてきた「政治改革=共産革命」の現実を、
政策ごとに6つに分類し、個別かつ総合的に批判を加えた書物です。


1990年代から20年かけて
日本で進められている「共産革命」的な政策を、
次の6つに分類されています(305~307頁)。

A、マルクス/エンゲルス/レーニンの
  家族解体を実践する革命

   ①「夫婦別姓」→民法改悪
   ②「子育て支援」→少子化社会対策基本法(2003)
           /次世代育成支援対策推進法(2003)
           /子ども手当の支給/保育園の聖性化

B、子どもの人格を
  “共産主義的な人間”に改造する革命

   ① ジェンダー・フリー教育
   ② 性教育

C、共産革命にとって最大の障害である
  日本の伝統と慣習を全面的に破壊する革命

   ①男女共同参画社会基本法(1999)
   ②女系天皇への皇室典範の改悪

D、自由社会の生命で根幹たる
  〈法の支配〉を破壊する革命

   ①裁判員法(2004)

E、性道徳の剥奪による、
  日本人の動物化改造

   ①女子中高生への売春奨励
    →「援助交際」の正当化と奨励

F、日本人から勤勉の倫理を剥奪する、
  日本人への怠惰性の注入とその能力の劣化促進

   ①「ゆとり教育」
   ②国民祝祭日の大バーゲンとハッピー・マンデーの導入



こうして書き並べてみると、
ヨーロッパでの冷戦の集結を境にして、
むしろ日本では、一気に共産主義(全体主義)を志向する政策が
推し進められてきたことがわかります。

そしてこれらの政策は、大部分、
自民党の政権下で推進されたものですから、
本書は、自民党がこの20年間進めてきた政策への、
根本的な批判にもなっています。

一つ一つの政策への批判はこれまでも色々と出されていますが、

すべてを総合的に取り上げて、1990年代からの、
日本における「共産革命」の大きな流れをまとめられたことは、
非常に有用だと思いました。


何しろソ連邦の崩壊以降、
真正面から、共産革命を是とする政策が掲げられることは
ほとんどなくなりましたので、

個々の政策の内容までよく理解しないと、
知らず知らずのうちに、日本の歴史と伝統を破壊する方向へ
協力してしまいかねない現状になっております。


ソ連邦の崩壊に合わせて、
わが国の極左の面々は、まったく職を追われることもなく、
また、転向を宣言することもありませんでした。

むしろ言葉の表面のみを新しくして、
「政治改革」の名のもとに、
一貫して「共産革命」を推進してきたことを、
よく知る必要があるでしょう。

本書では、保守主義の立場から、
具体的な政策提言もされており、
大変勉強になりました。


とくにイギリスの大政治家マーガレット・サッチャーが、
1980年代に、保守主義の立場から「脱・福祉国家」の政策を実行し、
どのように「英国病」を克服していったのかを解説した一章は、
とても興味深かったです。

そういえば、
今の病んだ日本社会への処方箋として、
サッチャーさんが行った政治に学ぶ必要は、
ものすごくあると思うのですが、
そうした観点からの論考は、最近ほとんど見かけませんでした。


人口が減り続けている以上、今すぐにでも、
福祉政策を大幅に縮小すべきことは明白ですが、

一度はじめた福祉政策を廃止することは、
よほど大きな志を持った政治家と、
それを支持する国民がいないと難しいでしょう。

恐らくまだもうしばらくは、
限界まで福祉政策を押し進め、
財政が実際に破綻したのを目の当たりにして、
はじめて福祉政策の放棄を選択しうるのでしょう。


もう一つ、
日本には中選挙区制が合っているとの指摘。
確かにその通りだと思いました。

イギリスのように、
保守主義の基盤が確固として存在している場合は、
2大政党が政権交代を行なっても、国の基盤が揺らぐことはないでしょう。

しかし日本の場合、
自民党でさえ、保守主義とはいいがたい状況で、
まして民主党となると、全体主義への志向が顕著な政党です。

この2党で政権交代を行った場合、
国の基盤が揺らいでしまい、日本にとって何もメリットはない、
と思うようになりました。

これももう少し時間がかかるでしょうが、
小選挙区制のデメリットについて、そろそろ
本格的に議論しうる段階に来ているようにも思いました。

2011年12月17日土曜日

【読了】田中英道 『「写楽」問題は終わっていない』



田中英道『「写楽」問題は終わっていない』
(祥伝社、平成23年12月)



田中英道さんの著書は、
『日本美術全史』(講談社、平成7年6月)以来のお付き合いです。

もともとは、西洋美術史が専門の方です。
西洋美術史でふつうに行なわれている研究方法を、
日本美術に当てはめたらどうなるか、という観点から、
たいへん興味深い研究成果を、数多く発表されています。

残念なのは、
西洋美術史の研究方法と、
日本美術史の研究方法に大きな溝があるからか、

また、田中さんの結論の多くが、
日本美術史の学会への批判にもなっているからか、

その説の多くが、
日本では無視に近い状況になっていることです。

そうした中で、
自説を著書にまとめて発表される
一貫した姿勢には日ごろから敬服しております。

田中氏は、10年程前に、
『実証 写楽は北斎である―西洋美術史の手法が解き明かした真実』
(祥伝社、平成12年8月)

を出版され、写楽は北斎であると主張されました。



過去の諸説をしっかり踏まえた上で、
説得力に富んだ論証を展開されており、たいへん感銘を受けました。

今回の著書は、
その後の研究動向を踏まえつつ、
改めて「写楽」=「北斎」説を主張されています。

前著のダイジェスト版としての役割も果たしているので、
こちらだけ読んでも、論旨は理解できると思います。

私は今のところ、
学説としてもっとも整合性の取れているのは、
田中説だと思っておりますが、

今後、田中説への本格的な批判が出てきたら
議論が活発化してとても面白いと思います。

学会が閉鎖的なのは、
日本に限らずあるものでしょうから、
これは仕方のないことなのかもしれませんが、
無視してしまうのはもったいないことだと思います。

2011年12月14日水曜日

【読了】與謝野晶子 訳 『全訳 源氏物語 一』

『源氏物語』は、一生付き合っていきたい古典の一つです。

はじめて感動をもって読み終えたのは、
大和和紀さんの漫画『あさきゆめみし』でした。
漫画ですが、原作に忠実で、よく出来ていると思います。

今挑戦しているのは、與謝野晶子さんの現代語訳です。
昨日、全5冊のうち1冊を読み終えました。



紫式部 著/與謝野晶子 訳
『全訳 源氏物語 一 新装版』
(角川文庫、平成20年4月)

※「桐壺(きりつぼ)」「帚木(ははきぎ)」
 「空蝉(うつせみ)」「夕顔(ゆうがお)」
 「若紫(わかむらさき)」「末摘花(すえつむはな)」
 「紅葉賀(もみじのが)」「花宴(はなのえん)」
 「葵(あおい)」「榊(さかき)」
 「花散里(はなちるさと)」を収録。


與謝野晶子は、生涯に3度、
『源氏物語』の訳業に取り組まれました。

そのうち1度は関東大震災の影響で、
書きためてあった原稿が消失してしまったため、
出版には至りませんでした。

はじめに世に出たのは、
明治45年2・6月と大正2年8・11月に
金尾文淵堂から全4冊で刊行された『新訳 源氏物語』です。

こちらは3年ほど前に、
『与謝野晶子の源氏物語〈上・中・下〉』
(角川ソフィア文庫、平成20年4月)

として再刊されたときに、読了しています。

前半が抄訳で、後半から詳しくなる、
という一風変わった訳本ですが、

與謝野晶子の文章には
独特の歯切れのよいリズム感があって、
楽しく読み進めることができました。


ただし抄訳で、
わりと急いで完成させたからか、
晶子本人はそれで満足していなかったようで、
晩年にもう一度、訳業に取り組まれました。

昭和13年10月から14年9月にかけて、
金尾文淵堂から全6巻で『新新訳源氏物語』が刊行されました。
こちらは原文に忠実な、全訳になっています。

これも3年前に、
『全訳 源氏物語 一~五』
(角川文庫、平成20年4月)

として再刊されていたのですが、
さすがに続けて読む気力は残っておらず、
しばらく「積ん読」状態になっておりました。


この秋から再び読んでみようと思い、
まずは1冊読み終えました。

やはり与謝野晶子の文章には、
心地よいリズム感と勢いがあって、
ぐいぐいと読み進めることができました。

やはり深い話だな、と感動を新たにしました。
今回はとくに「花散里」の清々しさが心に残りました。


今のところ、
私にとって一番しっくり来るのは、
与謝野晶子の訳本です。

次は第2巻に進みます。

※書誌の情報は、逸見久美氏の巻末解説を参照しました。

2011年12月13日火曜日

【読了】Anthony Hope, The Prisoner of Zenda (MMR Beginner)

やさしい英語の本、
MMRのシリーズ11冊目に読んだのは、
イギリスの作家アンソニー・ホープ
(1863年2月9日生-1933年7月8日没)の
冒険小説『ゼンダ城の虜(とりこ)』(1894作)です。



Anthony Hope
The Prisoner of Zenda

Retold by Stephen Colbourn
(Macmillan Readers Beginner Lever)

1998年刊(9,567語)


冒険小説についてよく知らないのですが、
これまでに7度も映画化されているそうで、
相当人気のある作品であることが知られます。

井上勇さんの翻訳が、
1972年に創元推理文庫から出ていますが、
まだ手に入れていません。

そちらで読むと
また印象が変わって来ると思いますが、
私はそれほど魅力を感じませんでした。

粗筋を追うだけでは、
面白さが伝わりにくいところがあるのかもしれません。

ゆっくり、
もうそろそろ面白くなるだろう、
と思って読み進めているうちに、

いつの間にか読み終わっていました。
まあ、そんなこともあるでしょう。


Macmillan Readers の Beginner Level で
すぐに手に入るものは、そろそろ読み終わりそうです。
まだ上のレベルに進むのは早そうなので、
他の出版社のものも探していこうと思います。


※計11冊 90,434語。

2011年12月7日水曜日

【読了】落合博満 『采配』

落合前監督の退任を受けて、
『コーチング』を読み返そうかと思っていたところ、
その続編というべき新著が出版されました。

本屋で立ち読みし、
内容に魅了され、購入し、一気に読み終えました。



落合博満『采配』
(ダイヤモンド社、平成23年11月)


野球人の中で、
その著書を読んで、とても勉強になるのは、
野村前監督と、落合前監督です。

監督就任前に書かれた『コーチング』は、
私の座右の書です。

現代の日本で、
ほどほどの小さなグループを率いていく際に、
参考になる考え方で満たされています。

『コーチング』がその理論編であるとすれば、
『采配』はその実践編といえるでしょう。

勝負の世界で、
類まれな成功を上げられた本人から、
何を考えて、どのように実行していたのかを
詳しく教えていただけるわけですから、
たいへんな説得力があります。

この二著は、熟読して、
自分なりに消化していきたいと
思っております。

2011年12月5日月曜日

【読了】岡崎久彦 『陸奥宗光とその時代』

ドナルド・キーンさんの
『明治天皇』を読み終わり、

久しぶりに、
岡崎久彦さんの日本外交史5部作を
じっくり読み返したくなりました。

高校生の時に、
渡部昇一さんと谷沢永一さんが、
『陸奥宗光(上・下)』の評伝を紹介しているのを読んだのが、
岡崎久彦さんを知ったはじめでした。

同書をもとに、よりコンパクトに書き直されたのが、



岡崎久彦『陸奥宗光とその時代』
(PHP文庫、平成15年3月。初出は平成11年10月)


です。コンパクトとはいっても、
文庫本で600頁をこえる大作なので、
読みはじめるのに少し気合いがいりますが、
表現がとてもこなれており、読みやすく、
ひと月かからず、あっという間に読み終えていました。

当たり前のことかもしれませんが、
こうして読み返してみると、キーンさんのより遥かに面白いです。

また、読者として中高生が想定されているのか、
文庫版では、ほぼ総ルビになっていることも、
たいへんありがたいです。

大人であろうと、知らない人名は、
ルビをふってもらわないと読めません。

感想を書けるほどのことを私は知りませんが、
以前に読んだ時よりも、
内容に合点のいくところが多かったのは、
これまでの多少の勉強の成果かもしれません。


陸奥宗光の、驚くほどの頭の冴えと、
それゆえの挫折の数々。

でもそうした陸奥の天才を
政治家として活かしうる
伊藤博文の懐の深さ。

この二人が、
自由社会を擁護する英米の地政学的立場をよく理解し、
絶妙なバランスで、日本を導き得たことは、
誠に日本にとって幸運だったと思います。

今の時代を生きる我々は、
何をどうしたら良いのか、色々考えさせられる本です。

次は日露戦争の時代、
『小村寿太郎とその時代』に進みます。

2011年12月3日土曜日

【読了】Biscuit シリーズ③3冊(ICR My First)


Biscuit Wins a Prize
2004年(162語 YL 0.3)



Biscuit and the Baby
2005年(153語 YL 0.3)



Biscuit Visits the Big City
2006年(145語 YL 0.3)


by Alyssa Satin Capucilli
pictures by Pat Schories
(My First I Can Read Book)


しばらく忘れていましたが、

とてもやさしい英語の本、

ビスケットのシリーズ、あと6冊購入していますので、
2回に分けて紹介していきます。

久しぶりに読み返してみると、
大体の意味はすぐに取れるのですが、
文法的に厳密な読みをしようとすると、
かえって見なれない表現が出てきたりして、
迷うこともあります。

そんなに深読みしないで、
何となく親しんでおけば十分なのかもしれません。

もう少しいろいろ読んでいくと、
わかって来るような気はします。


英語の勉強のため、
というよりは、絵本としての完成度が高く、
楽しく読み進められるので、
絵本としてお勧めです。


1冊あっという間に読めてしまうので、

5冊くらいずつ読み進めて、
50~100冊くらいこのレベルのものを
読むつもりでいればおもしろそうですが、

それはふつうの家庭ではむつかしいことでしょう。



※YL(読みやすさレベル)については、
 古川昭夫 編『めざせ!100万語 読書記録手帳』
 (第6版、2010年4月)を参照しました。